7.無頼漢調査その二
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エイナのアズ・オーネスト探りはココの思い出話と、その後に続いたメリージアの話まで聞き終えた。ココは主にオーネストに、そしてメリージアは両方に好意を持っていること、そして傍若無人に思える危険人物オーネストは、時折慈悲のようなものを覗かせる事が分かった。
「………どう?アズとオーネストについて、何か見えてきた?」
「正直、余計によく分からなくなったかな……」
基本的に他人を拒絶するスタイルなのに、なぜ彼らは拒絶されないのか。
一体全体彼女たち、その他大勢の彼に近づいた人間は何が違うと言うのだろう。言ってはあれだが、話だけを聞けば「きっかけ」さえあれば彼は人を助けているというだけだ。なら、他の大勢の人間をどうして彼は遠ざけ、あまつさえ暴力をも振るうのか。
その答えの一端を、エイナは残り2人の言葉から見出そうとした。
【フー・リィライの証言】
悪いんだけど、私は他の二人ほど衝撃的な出会いじゃないんだ。
そうだね……二人ともオーネストとの出会いが先だったから、敢えてアズの方から話そうかな?
私は元々は館に通ってはいなかったんだ。なにせ鍛冶ファミリアだし、うろつくぐらいなら工房にいるのが普通でしょ?当時の私は……ちょっと暇してたよ。オーネストはシユウ・ファミリアでは『壊し屋』として有名だったんだけど、アズが来てから装備の損耗率が眼に見えて落ち始めたからね。彼の防具を作っていた私も少々暇を持て余し、絶対に彼が使わないであろう「盾」なんかに挑戦したりもしたよ。……あ、ちなみにその盾はドワーフの方々に結構人気だったけど、まぁそれは置いておいて。
久しぶりにオーネストがファミリアに顔を出した時、その後ろに長身の男が付いてきていたんだ。何というか、腹の底が消えるような忌避感があるのに顔はニコニコしてるような人。そう、アズライールだよ。
知ってるとは思うけど、地上に降りた神というのはその気配以外は人間と変わりない。だから最初は「死神に好かれたのか、オーネスト!?」なんて思っちゃったね。でも、喋ってみると普通に……いや、普通とは言い難いかもしれないけど人間だと判明したんだ。
驚いたよ。何せ、『あの』オーネストが、後ろから口を出してくるような男を自然と受け入れているんだから。険のあった雰囲気も幾分か和らいでた。まぁそれでも未だに無茶してるんだけど……アズが横にいるなら大丈夫だろう、って安心できる。
不思議な男だ。今でもそう思う。
あれだけの力、あれだけの『死』の気配を纏っておきながら、アズは普通の男なんだ。ちょっと達観した所はあるけど、愚痴も言うし笑ったり泣いたりする。燃盛るような激しい感情はなくとも、思いやりは深い。素材集めの手伝いとかもしてくれるし、何でも聞いてくれるって程ではないけど人がい
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