6.無頼漢調査その一
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て囃される程度には強かったのよ。めっさスゴイっしょ?で、スゴイ剣士っていうのは大体行く場所が決まってんのよ。
そう、腕試し、兼犠牲になった戦士たちの後を継ぐこと。そう!ダンジョン59階層に住まう最強の魔物、「黒竜」の討伐ってな訳よ!そしてゆくゆくはダンジョンを制覇してスキタイの名を世界に轟かせるの!私の名前とか歴史に残っちゃうかもね!
ともかく、私は自信満々でダンジョンに来て、知り合いの伝手でオリオン・ファミリアに入ったのよ。13歳の時に。ぶっちゃけこんな幼い年齢でダンジョンに挑むとか私くらいのものだろ!って有頂天だったね。ところがどっこい……ダンジョンで、私と同じくらいの歳なのに私より強い人を発見したのよ。話の流れ的に分かるっしょ?――そう、オーネストよ。
ちょっと嫉妬したね。私より3年も前からダンジョンにいるって聞いた時は更に嫉妬に狂った。
一人前の戦士になるっていうのはスキタイにとってはスッゴイ重要な事なのよ。しかも私の場合はそれまで同年代で並ぶ戦士なんていなかったし。人生初のライバル登場よ。
もーそうなると私直情径行っていうか、とにかくオーネストに追いつきたくて彼の後ろを追いかけまくったわ。物理的に追跡して「私の方が強い!!」って言いながら魔物を狩りまくる感じだったけど。
……今になって思えば無茶したなー。たった1年で私は1つの偉業を突破してレベル2に到ってたのよ。それぐらい苛烈な戦いだった。でもね、時々ミスって死にかけたりしたときはオーネストが助けてくれることもあったから、不思議と嫌ではなかったんだ。
知ってる?昔、デカい魔物にやられて意識を失っちゃった時だったんだけどね?私、オーネストに看病してもらってたの。オーネストってば人を看病するときはびっくりするくらい穏やかな顔をしてるんだ。ああいうところを見ると、きっとオーネストのお母さんもすごく優しい人だったんだろうなって想像しちゃうよ。でも人が目を覚ましたと気付くと「目の前で死なれても面倒だから、後は勝手に帰れ」……ありゃ筋金入りのツンデレだね。
そんな生活がしばらく続いて……ある日、こんな話をしたの。
『お前……何のためにそんな無茶ばかりしてる』
『そりゃまあ………スキタイとしての誇りが一番かなぁ。ホラ、使命や目標があると俄然燃えてくるし?それにご先祖様の出来なかったことをやり遂げるなんてすごい惹かれるじゃん!』
『それは「お前の」じゃなくて、「スキタイの」無茶する理由だろうが。文化的な刷り込みと戦士という職業がそうさせているだけだ。それはお前の意志じゃない――もう一度質問する。お前は何のために戦っている?』
そんなに頭が良くないから何言ってるんだろって思ったけど、落ち着いて意味を咀嚼してみたら、こうだった。
『私が戦う意味だと思
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