6.無頼漢調査その一
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く新人職員だった。
= =
オーネストの根城となっている一つの屋敷。
その名もそのまま「オーネストの館」等と呼ばれている古びた屋敷の門の前に、一人の女性が立っていた。
「ここがあの二人のハウスね……」
尖った耳と眼鏡が特徴的な栗色の髪の女性……その名をエイナ・チュールという。若くしてギルドの職員を務め、その人当たりの良さと美貌から非常に高い男性人気を誇るが彼氏はいないという真面目な職員だ。
彼女の目的は単純明快。オラリオ二大異端者『狂闘士』オーネストと『告死天使』の身辺調査だ。理由は単純で、彼女は実はアズの担当職員その人なのである。
アズは定期的にギルドにやってきてはオーネストの代理を兼ねて賄賂のようにお金を出しては「忙しそうだから失礼するねー」と鼻歌交じりに帰っていくのだ。アズとオーネストに纏わる契約は上司のロイマンだけが把握しており、彼女としては一方的に渡された金をロイマンに回すだけの非常に胡散臭い仕事を任されていることになる。
となると当然彼女は一つの疑いを持つ。
すなわち――アズとオーネストは本当に信用に値する冒険者なのかということだ。
エイナ的にはアズの事はギルド窓口の前でしか知らない。
死神のようなぞっとする気配を放ちながらも人当たりのいい笑みを浮かべ、ほんの世間話をちらっとすると帰ってしまう。悪い人には見えないが、いい人かと問われるとすごく迷うほど得体が知れないというのが本音だ。他の職員は怖がって近づこうとしない。
で、オーネストに至っては街で偶然出くわした以外に何の接点もない。
ナンパされていて困っていたら、どこからともなくやってきてその冒険者を蹴り飛ばし、「俺の道に突っ立ってんじゃねえ」と一言漏らしてそのまま帰っていった。未だに助けられたのか偶然なのか分からない出来事である。
「曲がりなりにも関わってる人だもの……人となりくらい知ってても損はないわよね?」
二つのアンタッチャブルを同時に相手しようという無謀すぎるチャレンジにも思えるが、本人に会わなければ大丈夫だと考えるしかない。エイナは緊張しながらも屋敷の門を叩いた。
「ういーっす。どちら様ー?」
屋敷から出てきたのは……どこか見覚えのある気だるそうな猫人間。
「あれ?……えっと、アルル・ファミリア副団長のヴェルトールさん?」
「ありゃま、エイナちゃんじゃないの。どったのこんなトコに?」
そう、相手は受付嬢口説きで有名な冒険者のヴェルトールだった。
その後ろにも数名の人間が見えている。
「ヴエエエエエ………やば、吐きそう」
「おい馬鹿やめろココ!!せっかくピッカピカに磨いた床にゲェボ吐く気か!?」
「耐えろ
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