5.プリーズギブミーお小遣い
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しかし、子供は決してそれを認めなかった。
「そんなことない!!アズは絶対そんな人じゃないもん!!困った人は助けてくれるし、悪い人から身を守るためにってすごいアイテムやポーションだってくれるもん!!」
「だーかーらー……それが騙されてるんですよ!!どうせ裏で誰かが手を引いてるに違いないし、そうでなけりゃそのうち懐いた貴方を人身売買でもして金を手に入れる気なんですよ!!」
「〜〜〜ッ、この分からず屋!!アズは誰かの言いなりになるような弱い人じゃないし、お金に興味なんかないもん!!困ってる人は放っておけない正義の天使だもん!!」
「ハッ、何が天使ですか!!もしそうなら何でこんなに不幸な私は救われてないんですかねぇ?」
「ふんだっ!リリの不幸なんかアズに頼めばイチコロよっ!なんなら明日紹介してやってもいいわよ!?」
「へぇ〜……ふぅ〜ん……上等じゃないですか。なら、このリリがその男の化けの皮を目の前で剥いでやりましょう!!」
「へんだ!アズの面の皮を剥いだって奥から同じ皮が出てくるだけだし!!」
出て来ねーよどっかの大怪盗じゃあるまいし、と思いながらリリは今日に挑んだのだ。
そもそも、それで人間が救われるのなら、それはものすごく理不尽な話ではないか。自分はこんなにも苦しみながら必死にお金をためてきたのに、「助けてあげる」の一言で助かるのでは自分の努力は一体何なのだという話だ。自分以外の不幸な人間は何なのだ。
世界はそんなに都合よく出来てはいないのだ。
――そう、きっと騙されたのだ。
助けてくれる人がいるなどとうそぶいて、本当は生贄を探していたのだ。
リリは知っている、この男を。
遠目に見ただけで感じる、腹の底が冷えるような冷気。
『告死天使』――オラリオに存在する明確な『危険』。
こんな些細な言い争いで相手の話に乗ったばかりに、こんな状況に陥るなんて。
あんまりじゃないか。
ひどいじゃないか。
待っていろなんて言っておいて、この場に留めていおいて、アズなんてわかりにくい愛称まで使って人に隠して、無防備になった所を差し出すなんて。
ああ、もう私は二度と目を覚ますことはないのだろうか。
結局このオラリオという名の牢獄に囚われたまま、唯の一瞬も輝けずに。
嫌だな。折角脱却金の為にあんなにも駆けずり回ってお金を稼いだのに。
全部無駄か。全部無意味か。何と残酷であっけなく、そして虚しい。
今まで何のために食事をとり、何のために眠り、何のために喋り、何のために痛みを耐えて。
何のために――何のために――幾度となく自問しても、納得など出来ず。
ただ、自分の命には価値が無かったのだと、静かにそう告げられた気がした。
自分の顔をした、めそめ
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