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俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか
4.くそガキvsくそメイド
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「神が俺達の未来を閉ざせればの話だがな……くくっ」
「わー、悪い顔してる。これはギルドに見られたら指名手配待った無しだな」
「もうなってます。しかも億超えに」

 親友の笑みに狂気が混ざってるが俺はそれ以上気にしないことにした。

 天界殴り込みに関しては『まだ』ジョークの段階だし、神が本気になったらどの程度か分からないので実現性があるかは不明だ。ただ、オーネスト曰く俺の『死望忌願』なら殺せるらしいので、後はオーネストの戦闘力の話になる。
 ヘスヘスによるとオーネストには『自ら封印した切り札が7つある』らしい。……多分、その7つを解放したらオラリオで最強の座を奪うんじゃなかろうかとは思う。それを使えば或いは神に対抗できるのかもしれないが、逆を言えばオーネストが自ら封印したのだから生半可な理由で解放することはないだろう。
 まず、死んでも使わないだろう。オーネストなら使わない。封印したってことは、それが自己を否定するような要素を含んでいるからだ。あいつは自分にそんな『甘え』を許すほど器用じゃない。

 と考え事をしていると、ふとリューさんの顔を見たオーネストがぽつりと呟く。

「そういえば天界に攻め込むなら神殺しの武器が必要だな。リューの手料理も恐らくその一つになりうるだろう。お前の力にも期待している」
「………それは暗に私の料理が神を殺すほど不味いと言いたいのですかこのくそガキは?」
「客を相手に喧嘩している余裕があるのか?くそメイドめ」
女将(ミア)さんの命令で、貴方が他の客に喧嘩を吹っ掛けないうに監視するよう言伝を預かっているのですよ、くそガキ」
「息ぴったりですね」
「「冗談」」
(ぴったりじゃん、実際……)

 冷酷なまでのリューさんの目線とニコリとも笑わないオーネストの目線が火花を散らす。
 リューさんは基本的に礼儀をわきまえた人には礼を持って応えるが、礼の欠片もないオーネストには当然冷たい反応をする。だが、実のことを言うとリューさんはこの町でも結構オーネストの安否を気にしている方である。

 何でも彼女は昔は闇討ちや暗殺なんかでブイブイ言わせていた時期があるらしく、無茶をする若者というのは見ていて昔を思い出すそうだ。特に無茶どころか自殺レベルでダンジョンにのめり込む世紀の愚か者(言うまでもなく我が相棒)にはかなり思う所があるようだ。
 
 この街であいつを気遣おうとした人間の9割が「あいつは自殺志願者だ」と気遣いを諦めた、と聞いている。つまり彼女はその中でも貴重な1割ということになる。……というか、基本的にオーネストと付き合おうとすると喧嘩腰くらいが一番信頼を得やすいらしい。どういうことなの。ぼくには理解できないよ。

「そういえばお前ミアさんと殴り合いしたことがあるらしいじゃねえか。よ
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