4.くそガキvsくそメイド
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えれば、何かがあったのではなく何もなかったとも考えられる。産業革命を始め人類が爆発的に生活圏を広める発展は多くあったが、もしそれがなかったとしたら……ある意味でこの世界は俺達の世界とは別物かもしれないぞ」
「でもなぁ、異世界にしては神の名前とか性格とか符合しすぎるんだよ。ロキたんも昔は天界でヤンチャしまくってたみたいだし、他の神もおおよそだけど神話をなぞった性質があるんだ」
「何かしらの関係があるのは間違いない、か……文化は最終的には似てくるという説はあるが、流石に固有名詞は似ないだろう。まさかあの神々がどの人類文化圏でも不変の存在なんてことはあり得ない。別の神に後の人間が話を付け加えたり、神格を貶めようと勝手に悪魔の名前にしたり、そんな事情で神の在り方なんてコロコロ変わる。例えばかのウガリット神話の主神バアル・ゼブル。それをあのキリスト教の絶滅主義者たちが「自分たちの神を否定するから」とかで勝手に貶めて誕生したのが暴食悪魔ベルゼブブだ。日本でも天津神に貶められた国津神たちは後に妖怪の扱いを受けたりとひどい目に遭っている」
「果たして超越存在の正体は何なのやら………ダンジョンの攻略が終わったら世界を行脚して遺跡や書物でも漁ってみるか?」
「いや、それよりも適当な神を捕まえて絞った方が早い。差し当たってはソーマなんかどうだ。あいつにはそれなりに借りがあるし、何よりヘタレだ。拷問にかければ何でもやってくれる」
「おいおいもっとスマートな方法にしろよ?お前の拷問はヤクザ染みてるからな」
「スマート、ねぇ……………天界に殴り込みするか?」
「あ、それちょっとやってみたい。我等天上ニ弑逆セリ、ってか?」
天界って結局どんな所なのか分からないし、タッパーの件もある。
案外この世界の秘密が眠っているかもしれない。
宇宙誕生以前から存在する黄金のモノリスとか、超巨大な地上管理コンピュータとか、神さえ操る絶対的なラスボスとか。
「お客様、絶対におやめください。あなた方が言うと冗談で済まないのですよ」
ドン!と神に抗う者達が集うのを妨害するように俺達の目の前に料理と酒が置かれた。
「あ、どうもリューさん。さぁて、天界は後にして腹ごしらえだ!」
「この料理で二人の世界に対する弑逆を防げるのならば安いものです……」
リューさんの心底呆れたような目線が突き刺さる。
ここは俺達としては珍しく行きつけの店の一つ、「豊穣の女主人」という酒場だ。
革命などの大きな革新は得てして酒場から始まるとどこかで聞いたが、多分気のせいだろう。テニスコートだって誓いの場になるのだし。
「まったく、天下のおひざ元オラリオで天界中枢殴り込み計画とは呆れて物も言えない……よほど未来が欲しくないと見えます」
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