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俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか
3.騒霊劇場へようそこ
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敵に笑う。

「頭上にお気を付け下さいませー♪」

 アズが上空に飛びあがると同時に、虫たちの真上に形成されていた鎖のネットが入れ替わりで落下。十体近くの虫がネットに絡まれ、そのまま鎖に締め上げられて圧潰した。更に空中で鎖を波打たせたアズは、超高速で移動する鎖のノコギリで虫を纏めて薙ぎ払った。

「どうした、怨敵諸君?俺に鎖の次の武器を抜かせろよ。でないと――全部終わっちまうぞ」

 風圧で鎖に付着した体液を全て吹き飛ばしたアズは、ジャラララララッ!!と音を立てて戻った鎖を鷲掴みにして次の得物へと走る。


 一方、オーネストの戦いも凄まじい。
 正面の虫を素早く刺突で仕留めると、その死体を猛烈な力で蹴り飛ばして後続の虫を吹き飛ばす。
 その吹き飛ばした虫の陰に潜んだオーネストは瞬時に周囲の魔物を斬り裂き、空中に爆竹を投げ飛ばして空を飛ぶ虫を足止め。
 その瞬間に反対方向に集う虫たちを真正面から剣で粉砕していく。
 避ける前に殺す、反撃が来る前に殺す、全ての敵のモーションを頭に入れたうえでその一切合財を無視して正面突破し、一際巨大な甲虫の虫の足を蹴り飛ばして転倒させる。防御を完全に無視し、怪我より守りより殺しを優先する徹底的殺傷主義者が荒れ狂う。

 しかし、転倒させた巨大な甲虫は甲羅のような外殻のせいでまともに刃が通らない。それに気付いたオーネストはすぐさま腰の短剣――知り合いの製造した『短魔剣』を引き抜いて甲羅の隙間に強引にねじ込み、ありったけの魔力を注いで叫んだ。

「『ブラストファング』……抉れろォォォォォォッ!!!」
『ギャギギギギギィィィィィッ!?!?』

 オーネストの声に呼応して魔剣に込められた直線型爆発魔法が畳み掛けるように叩き込まれ、僅か数秒の内に魔剣の魔力が甲羅をこじ開けていく。
 おおよそ信じられない使用方法だ。高級品である魔剣は込められた魔法を使えば使うほどに消費され、最後には折れてしまう。そんな貴重品を、この男はただ目の前の敵を可能な限り早く殺すためだけに使う。
 体内をかき回す衝撃に虫は全身を震わせながら足をばたつかせるが、もう遅い。

「喚けッ!叫べッ!死んで汚泥を撒き散らせッ!!」

 抵抗も虚しく、爆発が完全に外殻を貫通して体内を滅茶苦茶にかき回し、逃げ場を無くした衝撃が外殻の隙間や眼球、関節から体液とともに盛大にぶちまけられて甲虫は絶命した。壮絶な殺し方に思わず後方の女性陣が顔を背けるが、オーネストは纏う殺意を微塵も欠かさず背後から迫る影へと駆け出し、交差した。

「おーおー派手にやったねぇ!」
「てめぇが言えたことかッ!」

 背後の影はアズだった。目を向けずともアズが目眩ましを食らわした虫を殺し尽くしてこちらに来たことにはとうに気付いていたため、二人は
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