3.騒霊劇場へようそこ
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の瞬間に後悔がないなんて、幸せな事だと思わないか?」
「………今、分かった。どんなに善人面しても貴方はやっぱり『告死天使』なのね」
「あっ、ヒドイ。俺はなぁ、自分がまだ生きてるのに先にあいつがくたばるのが嫌だから助けてやってんだよ?別に殺させたいわけじゃないから、そこは勘違いしないでくれよ」
「でも死を肯定してるじゃない」
「死は人生の一部だぞ。生まれたから死ぬんだ。受け入れても受け入れなくてもこの一方通行は変わらないよ」
俺のいた現代社会では、一生を寿命で終えられることが前提の世界だった。だからそう考える。でもオラリオの冒険者は死がとても近しい所にあるから「まだ来るな」と拒否する思いが強いのだろう。俺の物言いに素直に頷いてくれるのはロキたんだけだった。
「せやな。生と死っちゅうのはそういうもんや。にしても、アズにゃんが言うと迫真に迫っとるわぁ……」
「アズにゃんは止めい!!」
「アズ、ますます死神っぽい。あとレフィーヤが怖がってる」
「こここここ怖がってなんかいません!!」
といいつつも滅茶苦茶怖いのかリヴェリアさんの背中に隠れたレフィーヤが涙目になっていた。
場がちょっと和んだ……のは別によかったのだが、ダンジョン突入前に気が抜けていると叱咤されてもおかしくない光景だった。
行軍開始の前に、『ロキ・ファミリア』の体力温存の為の露払いとして前で戦ってほしい、とフィンは俺達に言った。
直後にオーネストが「ついでに俺達の戦力視察がしたいんだろう?」と図星を突かれて苦笑いしていたが、俺達は別に見られて困る物はないと思う。
その考え方自体が既に強者の物言いなのだとガレスのおっちゃんに呆れられたが――まぁ、芋虫共の撃退はあっちがある程度請け負ってくれるのだからこれぐらいは妥当な労働だろう。オーネストも暴れ足りなかったのか不満は漏らさなかった
やると決めたらやる、それもまた俺達の流儀だ。
= =
「騒霊のイカレたパーティをご覧あれ、身の程知らずの皆さま!」
「臓物をぶちまけな、クソ虫ども」
二人は互いの得物を手に、弾かれるように突撃した。
ジャラジャラと音を立てて虚空を駆ける鎖が魔物の腹をバゴォンッ!!と貫通し、蛇のようにうねって空中に居た虫の羽に絡みついてもぎ取る。同時に別の鎖が地面をガリガリ削りながら地中にいた虫を引っ張り出し、アズはそれを振り回して別の虫に叩きつけた。互いの身体が衝撃で弾けてぼたぼたと体液が地面に落ちる様に見向きもせず、アズが再び鎖を操る。
『ギシャアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!』
瞬間、好機だと思った虫たちが一斉に八方から飛びかかり、更に芋虫とは別の虫が毒液を噴出してし来た。が――アズは不
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