2.異世界ホームステイ
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身が気にくわねぇ!!』
『……………勝手にしろ、物好きが』
世にも珍しいアマゾネスメイドの爆誕である。
以来、彼女は屋敷に住みついて家政婦の如く働いているのである。但し、単純作業に飽きると他のメンツと遊びだしたりしているが……まぁ金払って雇ってる訳でもないし、留守が長いこの屋敷を管理してくれてるんだから文句を言うのはお門違いだろう。
「ねえねえメリージアちゃん。この親友に蹴っ飛ばされた哀れな男に……食い物恵んじゃくれないかね?」
「テメェみてぇなキモッチワリィ屑に食わせる飯なんぞ残飯しかねェよ。大体テメェは飯に困るほど貧乏じゃねぇだろうが?」
「うおーい俺には雑敬語さえ使ってくれねぇのかーい!?」
「尊敬してねぇから使い必要マイナス100%だし。あと床に這いつくばって頼むフリしてパンツ覗こうとするんじゃねぇよッ!!」
「オゥフ!?何故ばれた!!」
メリージアの美脚がヴェルトールの頭に垂直に蹴り落とされ、ゴリッと嫌な音がした。
ちなみにヴェルトールはキャットピープルである。
『戦闘傀儡』という極めて特殊な魔法を持つこいつは、これでもアルル・ファミリアとかいうファミリアの副団長らしい。だがファミリアが退屈すぎて詰らないからとしょっちゅう遊びに来ては食い物を摘まもうとする困った奴だ。若干のMっ気と構ってちゃん気質があるせいか、蹴っ飛ばされるまでがコミュニケーションになってる節がある。
「やれやれ、いいからご飯始めようや。ヴェルトールには期限切れかけの食材でも上げておけばいいじゃん?」
「ふん!アズ様の優しさにつけこんで精々おこぼれを喰らうんだな!」
「………頂きます」
「おう、頂ます」
「じゃ、アタシもイタダキマース!」
結局4人で食卓を囲む。ちなみにこの食卓、俺達がダンジョンに夜通し籠る関係で固定メンバーはメリージアしかいない。後は入れ代わり立ち代わり、この屋敷を防衛できる誰かが勝手に入り込んでくつろいでいたりする。
「なぁなぁオーネスト様。アタシのお食事どんな味しやがりますか?」
「美味い」
「味覚障害の再発はないみたいだな」
「あー、凄かったなアレ。ミアのカカァが出した料理に『雑巾の味がする』ってポロッと漏らすまで味覚が消えてるとか誰も気付かなかったぜ」
それと、この屋敷に集う奴等の会話は大抵がオーネストに関わる話だったりするので、アズは内心『オーネストファンクラブ』と呼んでいたりする。この男、変なカリスマがあるのだ。
ゴースト・ファミリアは不吉を隠れ蓑にした秘密基地。
ここには、未来を求めない愚者たちが集う。
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