2.異世界ホームステイ
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ョンを見つめていた。
……あ、ロキたんの所の子だ。アイズちゃんだったと思う。あのボーイッシュな神が随分猫かわいがりしていたのを覚えている。彼女にも若干ながら向死欲動を感じたが、最近は全然感じない気がする。
しかし、そんなこっちの無遠慮な視線をスルーしてる彼女の瞳はじゃが丸くんポーションに釘付けだ。
「食べて良い?」
「ああ、別にいいけど……味は普通のじゃが丸くんよりちょっと苦いと思うよ?」
「分かってても気になるのが、人のサガ」
彼女はためらいなくじゃが丸くんを頬張り、一言「革命的」と呟いた。
じゃが丸くんの風味を損なわずにあのマズイポーションの苦味を残すという絶妙な味に関する評価だったらしい。ポーションの効果もあることを伝えると「……革命的!」と驚いていた。良いリアクションをする子だ。
= =
ヘスティアには、自分のファミリア以外にも気がかりなことがある。
それは、【ゴースト・ファミリア】と呼ばれる実体のないファミリアのことだ。
正確には、そのファミリアの中心にいる青年――オーネストのことを見守っている。
彼女は、この街でオーネストが『オーネストを名乗る前』を知っている数少ない人物の一人だ。
そして、彼が『オーネストになることを止められなかった』人物でもある。
彼の親でさえ知らなかった『知らない筈の記憶』さえ知っている。
ヘスティアは彼の親に、彼を見守ってくれと頼まれていた。
彼女の盟友ヘファイストスもまた、同じことを頼まれている。
ヘスティアは今にも崩れそうな彼の心を、そしてヘファイストスが戦いへ明け暮れる彼の身体を――
それぞれの出来る方法で何とか支えていた。不幸中の幸いか、彼もオーネストになる前から面倒を見てもらったことがある二人の神のいう事なら多少は聞いてくれた。
それでも、ダンジョン内に踏み込んでいく彼を止める事だけは叶わなかった。
破滅願望――彼には間違いなくそれがある。
自らの身を自らの手で壊すような身を焦がす衝動を、彼女は一時的に和らげることしか出来なかった。
そんな日々が続いて、彼がどんどん手の届かないダンジョン奥地へ向かい始めた頃――アズライールが突然街に現れた。
死へ向かうオーネストと、死そのものを司るようなアズ。似た性質に相反する性格をしているような二人だったが、不思議と距離は縮まっていった。それは同時にオーネストという男の圧倒的な拒絶意志の緩和にも成功していた。
何よりも大きかったのが、アズは力づくでオーネストを説得するだけの強さがあったことだ。
オーネストを拘束するまでなら腕利き数名がいれば何とかなる。だが、彼はそこからの抵抗や苛烈なまでの意志の強さが凄まじい。彼の気迫は魂を燃やすよ
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