滲むような死と共に
1.俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか
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「料金ふんだくるか?」
「やめろ。お前が料金徴収なんてヤクザより怖えぇよ。とっとと『お家』に帰って休もうぜ?どうせ今日も暇な奴が何人か屯してんだろ」
「フン、自分のファミリアも放り出したヒマ人共め。よくもまぁ人の家に来るものだ」
(その暇人の首魁が何を言うか………)
そして、この二人がその【ゴースト・ファミリア】の中心にいる事は……もはや言うまでもないことだ。
「あ、アイテムと魔石の換金どうしよっか」
「金が欲しいならいってきたらどうだ?俺は要らん」
「宵越しの金は持たないってか?」
「馬鹿言え、使い途がないだけだ。それに……宵を越す必要が俺達にあるのか?」
オーネストにしては珍しく、にやりと含みのある笑みを浮かべた。
こいつなりのジョークなんだろう。オーネストがジョークを言う相手は、それなりに気に入ってる奴だけだ。素直じゃねえの、と内心で苦笑いしながら同意する。
「それは確かに。金にも困ってなけりゃ未来を渇望してもいない。俺達はそういう人種だよな」
「そうだ……俺たちに未来は要らねぇ」
「だな。俺達に未来は要らねぇ」
未来など要らない。何故なら、今日に後悔はないのだから。
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