命のバトン
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。
このままでは、失血死の恐れもある。
赤ちゃんの命の危機に叢雲は焦った。
叢雲「いい加減にしなさいよ!
あんたの為にやってんだからね!
泣き止みなさいよ!」
叢雲が怒鳴ると、医師達は一斉に叢雲の方を見る。
赤ちゃんは火に油を注いだ様に、
泣き方は勢いを増す。
叢雲をなだめる方が先の様だ。
医師「そんなやり方じゃ逆効果だ。
いいか冷静になれ、私が必ず助ける。
その為にも、、落ち着いて」
医師は怒っている風ではなく、
冷静に、そして穏やかに叢雲を注意した。
医師の態度を見て、
叢雲はつい声を荒げてしまった事を後悔し、俯向た。
叢雲「ごめんなさい、つい、」
医師「ああ、分かってる。
君のこの子を助けたいという強い気持ちは私にもよく伝わってくる。
だが、焦っては何事も上手くいかない。さ、深呼吸して落ち着いて」
叢雲はうなづくと深呼吸をして、
気持ちを落ち着けた。
鼻の奥に消毒液のヒンヤリとした刺激を感じた。
頭の中がスッキリする。
医師「まだ言葉をうまく理解していない赤ちゃんは、話しかけるより、
何か動作で伝える方が効果的かもしれないな」
叢雲「動作で伝える、、、」
腕を組み、左右に視線を泳がす。
叢雲(今、赤ちゃんは不安と恐怖で泣いている。
つまり安心させる必要があるのよね。
動作で安心を伝える、、)
叢雲は赤ちゃんを抱え、抱き締めた。
医師「泣き疲れて眠っただけだ。大丈夫だよ」
叢雲はほっと胸を撫で下ろした。
医師「だが、ありがとう、赤ちゃんが落ち着いたのは、
君のおかげでもある」
医師は赤ちゃんに注射をし、振り向いた後、叢雲に言った。
叢雲「当然の事をしたまでよ。
赤ちゃんがここまで来られたのも、
元はと言えば、、」
叢雲はハッとした。
叢雲「白露、暁が重症だったわ!河川敷で休んで居るから、
早く連れて来ないと!」
丁度その時、テレビの速報が流れた。
画面は川を進軍する深海棲艦の群れを映している。
「ご覧ください!突如現れた深海棲艦の群れは、現在もなお、川を上り続けています!」
治療室の皆がテレビを見ていた。
叢雲は苦虫を噛み潰した様な顔をし、画面を睨んでいる。
叢雲「あいつら、目的は一体何なの?」
医師「もしかしたら、ダムが狙いなのかもしれない」
神妙な面持ちで話した。
医師「川の上流には発電用のダムがある。
そこを壊せばこの街一帯は全て洗い流されるだろう。
そうなれば、街は全滅する」
叢雲「何ですって!?」
驚愕の表情で向き直る。
医師「あくまで私の推測だ、、」
叢雲は腕を組み、考えた。
叢雲「いいえ、その可能性は高いわ。
一刻も早く敵を止めないと、でも、白露達が、、」
医師「それなら病院から、救助ヘリを出
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