命のバトン
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る。
赤ちゃんはキャッキャ喜んでいたが、足から血を流し、
肌の色が白っぽくなっていた。
医師「これは、、大変だ!
早く手当しなければ!」
医師は赤ちゃんを受け取ると、
赤ちゃんは突然泣きだした。
叢雲「ちょっと!怪我してるんだからもっと丁寧に扱いなさいよ!」
叢雲が赤ちゃんを手元に戻すと、赤ちゃんは笑う。
看護師「分かったわ、優しく扱うわね」
看護師はそっと赤ちゃんを受け取る。
赤ちゃんは、また泣きだした。
看護師「あなたじゃなきゃ、ダメみたい。一緒に来て」
叢雲に赤ちゃんを返し、叢雲ごと治療室に連れて行く。
叢雲「ちょ、ちょっと!私はこれから行く所が、、」
医師「君が連れてきたんだろ、付き添いなさい。
ほら、入った入った!」
手を引かれ、治療室に入れられた。
白い壁紙の清潔感漂う部屋、
高そうな医療機器の数々が並んでいる。
しかし、辺りは戦場さながら、数多くのベットは満杯、
怪我をした患者が苦悶の表情で、治療を受けている。
汗を流して懸命に治療する医師達の姿があった。
叢雲「ひどい有様ね」
赤ちゃんを抱えながら、医師に続く。
医師「何でも深海棲艦が街を攻撃したらしいじゃないか」
叢雲「ええ、、私達、艦娘が居ながら、止められなかった」
叢雲は視線を落とす。
医師は「ふぅ」とひと息吐く。
医師「私は君達のせいでこうなったとは思っていない。
元々、攻撃して来る深海棲艦に問題ある。
それよりも起きてしまった事態、過ぎた事に囚われるより、これから何をするかが大事だと思うがね」
医師は棚から幼児用の小さなベットを取り出し、治療台に乗せた。
叢雲は小さなベットと赤ちゃんを見つめる。
叢雲「、、、そうね、まだ間に合う事もある」
赤ちゃんをベットに置いた。
医師は手早い動作で注射器を用意し、
小瓶に針を刺し、液体を吸い出す。
医師「まずは麻酔をかけて、赤ちゃんを眠らせる」
その様子を不穏な表情で見つめる赤ちゃん、今にも泣き出しそうだ。
医師「消毒を頼む」
叢雲は赤ちゃんの腕をまくり、脱脂綿に染み込ませた消毒薬を塗る。
いよいよ何をされるか分かった赤ちゃんは、恐怖から泣き出す。
叢雲「ちょっと!大人しくしなさいよ」
暴れ始め、腕を振りほどいた。
握力で押さえつける事も出来るが、
叢雲は艦娘なので、力の調整を間違えると、骨折させてしまう恐れがある。
赤ちゃんの傷口から血が溢れる。
医師「このままでは注射を打つことができない。
なんとか赤ちゃんをなだめてくれ」
叢雲「くっ、分かったわ」
赤ちゃんの顔を覗き込み、努めて優しく言った。
叢雲「よしよしいい子でちゅね〜、痛くないでちゅよ〜」
赤ちゃんは一向に泣き止む気配がない。
なおも血液が滴り、
ベッドを紅く染める
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