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Fate/GrandOrder///OutBre;ak
魔眼の少女と真瞳少女
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何時までも待ち続ける、何時か帰ってくると信じているわがままな子供の様に。
 悲しい笑顔を絶やさず、これからやってくるFateに感謝を込めて。

「早く会えるといいね、お兄ちゃん」



 目を覚ますとそこは人混みのど真ん中だった。
 人。人。人。人。
 見渡す限り人で埋め尽くされた俺の視界は万華鏡の様に人間達を映し出し、その人の気配の多さに眩暈しそうだ。
 周囲はビル群に囲まれている。
 って事は近代的な時間軸なのか……。
 古すぎず、現代的な文明から察するに十年位前の世界と予想する。
 人混みの波は終わらない。
 歩かなければその人混みに飲み込まれる様な。
 気ままに人混みに紛れながらもこの時代の流れを模索し、異常な魔力の流れが無いか確認する。
 …………これといって問題点はない。
 少し周囲を確認しただけでも断言できる。
 何故、そこまではっきりと言えるのかは自分でもよく分からない。だが、この世界は至って普通に溢れた世界と言えるのは確かだった。
 そう、魔術師から見ればこの世界は普通の、普通の世界だ。
 そしてここが日本って事も分かった。
 周囲の人間の殆どが日本語で会話し日本の通貨で買物をしている。外人も暫し見やれるが観光に来た外国人だろう。
 さてさて、この世界は自然な世界だぞ。

 ――――d

 ぶつかった。
 あちゃ……前、見てなかった。
「あの、すみま……」
 ぶつかった相手は着物美人だった。
 突然の着物姿に言葉を失った。それに……着物から上の服、もしかして革ジャン?
 思考回路がぐるりぐるりと回転し色々とツッコミ所満載の着物美人は。
「お前―――変わってるな」
「え?」
 その瞳は魔力を帯びていた。
 魔術師なのに魔術を使えない俺ですらはっきりと解るその魔眼は俺を凝視する。
 これ程、魔力を帯びた魔眼は生まれて初めて見るけど……なんか違和感を感じる。
「あ、あの……」
「まぁ、私には関係ないか」
 そう言って着物美人は去っていった。
 人混みを避ける様に。人混みに慣れてるのかすらすらと人混みを避け、姿を消してしまった。
 あの人、何者なんだろう……。
 魔術師……いや、魔術師には見えなかった。
 生まれつきの魔眼持ち? 魔眼の種類は分かんないけどアレは魔眼の中でも上位クラスだ。
 ポピュラーな魔眼じゃないな。
 例えば呪眼とか。
 人を縛るタイプの魔眼なら俺を見た瞬間、俺の身体は金縛りに合ってる筈だ。それに周囲の人間も。
 危険な魔眼なのに危険と感じさせないあの魔眼……カルデアの科学者達なら知ってるかも知れないけど俺みたいな凡人以下の魔術師には解る筈もなく。
「はぁ、探しますか」
 カルデアからのリンクは切れている。
 何かアクシデントがあ
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