任務-ミッション-part3/奴隷商売星人
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く状況に戸惑いを覚える二人をよそに、サイトは床の地下通路への道を開くと、下へ続く階段の先へ駆け下りて行った。
奴には、私たちには見えないものが見えている。その腕をヴァリエール嬢は認め、女王も買っているんだ。…もし信頼に値せず、ましてやトリステインに仇なす者ならば、そのときは…
(後ろからでもどこからでも撃ってしまえばいい)
銃弾を新たに装填しながら、ミシェルは心に決めた。
「ミシェル、続け」
「…了解」
アニエスに続いて、ミシェルもサイトの後を追って階段を下りて行った。
「…モンモランシー、もう大丈夫かい?」
「……」
返事はない。でもさっきのように駄々っ子のように泣き叫ぶことはなかった。それだけでもギーシュはほっとすることができた。
「…命を惜しむな…名を惜しめ…か」
「何だい?それ」
ふと、何かを呟いてきたギーシュに、レイナールが耳を傾けてきた。
「僕の父の教えさ。グラモン家の男に恥じない男になれってね。
けど、はは…情けないものだね。父上たちは戦場で人が死ぬさまなんて見続けてきたというのに、僕なんてさっきの惨状を一目見ただけで…はは、はは…」
そこまで言った時のギーシュの表情には、恐怖に支配された自分に対する嘲りがあった。しかしギーシュに限った話じゃない。ここに連れてこられた全員が恐怖していた。一刻も早くこんな場所から逃げ出したいと言葉にしなくても、その顔が語っている。
ギーシュも言っていたが、貴族とは名誉を命よりも重んじ、国のために戦い命をささげることもいとわない者。だが、その条件を満たすような人間などどこにもいなかった。
(サイト…君はやはりこんな時でも、迷うことなく立ち上がったんだな…ルイズを守るために)
自分が知っている人間の中で、サイトが最も頼れる男だと思っている。フーケ事件の時は破壊の杖を使いこなしてゴーレムや怪獣に一矢報いたそうだし、何よりタルブの戦いであの竜の羽衣…もとい、ウルトラホーク3号を乗りこなした時の活躍は目を見張るものがあった。
ふと、頭上を見上げながらマリコルヌが呟く。
「なんだろう…地震?」
彼に限らず、捕まっていた生徒たちも、壁から発せられる振動が気になり始めていた。彼らと、操られたメイジたちの交戦した影響からか、ギーシュたちが捕まっている部屋にも振動が伝わってきた。
「そういえば、さっきから星人たちは僕たちのところに来ていないな…」
レイナールがここしばらくの時間のことを思い出す。星人たちが来なくなってから結構な時間が経った気がする。そしてこの振動…。
「もしかして…」
淡い希望を抱き始めたその時だった。
閉じられた扉がバラバラに切り裂かれる形で開かれ、見覚えのある人物が真っ先にその姿を見せた。
「大丈夫ですか!?」
「さ、サイト!サイトじ
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