任務-ミッション-part3/奴隷商売星人
[5/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
外へ運べ。残りの者は他の生徒たちを探すぞ」
先ほどサイトたちと交戦した生徒たちは数名ほどの銃士隊の隊員たちによって運ばれ、サイトとミシェル、アニエスを含めた居残り組は引き続き、捕まった生徒たちの捜索を続けた。
しばらく探していると、サイトは急に立ち止まった。
「二人とも。こっちから何か聞こえませんか?」
「何?」
振り返ったアニエスとミシェルは、サイトが耳を澄ませている姿勢を見て目を細めた。
「ほら、この部屋から…何か聞こえませんか?」
彼が指差した方角は、小さく半ドア状態のまま放置された、一室の客室の扉だった。不自然に半ドアにされたままの扉に、サイトはなんとなく違和感を覚えた。
『目を凝らしてみろ。何か見えるはずだ』
ゼロの声に導かれるように、サイトはその半ドアの扉の奥を透視する。その目が星のようにギラギラと光り、扉の先を見通してみる。扉の向こうは普通の、客室。普通に客のために用意されたベッドやテーブルが用意されている。しかし………サイトには見えていた。
客室内に設置されたベッドの下に、隠れていたのだ。
下の階へ続く、秘密の階段が。
そこから目を閉じて耳を鋭く済ませてみると、閉じ込められた人たちの声も聞こえてくる。やはりこの先に魔法学院の生徒たちが他にも捕まっているのだ。
(ん…待てよ、この声って…)
聞き覚えのある声がわずかに混ざっていることに気付いたサイト。まだこの時は、捕まっていた人間の中にはギーシュたちも混ざっていたことに気づいていなかった。
「下がってろ。私が先行する」
ミシェルは少し無理矢理にサイトを後ろに下がらせる。彼女はそっと扉を開き、侵入と同時に銃を部屋の中に向ける。
「…はずれか。どうやら当てが外れたようだな」
侵入した部屋に、見たところ変わった者は見られなかった。しかしサイトは、透視したことで見つけたルートが隠されたベッドの傍らに立っていた。ベッドの脇の床に手を触れると、サイトの手に冷たい空気の流れが触れた。
(空気が流れてくる…やはり…)
サイトはデルフを引き抜くと、思い切り振り下し、ベッドを切った。
「お前、何を…!」
驚くミシェルやアニエスだが、その答えを直後に知る。真っ二つに切り裂かれたベッドの中央に、見つけるべきものに繋がるものを見つけた。
ベッドのあった場所の床に、地下へ続く階段が口を開けていたのだ。
「こんなところにあったとは…」
壁に隠し通路があるといったことはよく聞く話だが、ベッドの下という意外な場所に隠し通路への道があったとは考えが及ばなかった。
「さっきここから空気が流れていたのを感じたんです。
行きましょう。一刻も早くみんなを助けないと」
サイトは、いきなり隠し通路を見つけ出したことについてはもう気に留めていなかった。あまりに流れるように行先が見つかってい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ