暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
任務-ミッション-part3/奴隷商売星人
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あの…俺に何か言いたいことでも?」
さっきからやたら自分を睨み付けてくるミシェルに、気まずげにサイトが尋ねる。
「怪しい技術と能力を持ち、平民のくせに陛下からの信頼を勝ち取っている。ミス・ヴァリエールの使い魔だがなんだか知らんが、私は正直、貴様のような怪しいうえに軟弱な男と組みたくはない。隊長命令だから仕方なくここまで連れて行ってやっただけのこと」
「は、はぁ…」
「ここからは私一人で行かせてもらう。お前はここで脱出ルートの確保役として留まれ」
「ちょ…ミシェルさん!?」
信じられない判断を下したミシェルに、サイトは驚かされた。この人は銃士隊の副隊長、つまりアニエスの副官じゃないか。なのに、本人の目が行き届いていないからって、そんな勝手な真似が許されるはずがない。
「一人じゃ危ないですよ!敵はあなたが考えている以上に危険な奴らばかりだ!俺はそんな奴らを何人も知っている!二人で協力した方がいい!」
「だからどうした!そんなもの、この国を誰よりも強く思う私の想いの力で打ち砕いてやる!お前のような戦知らずの青二才など足手まといだ」
「あ、ちょっと!」
手を伸ばしてミシェルを引き留めようとしたが、踵を返した彼女はサイトを無視してそのまま一人で先行してしまった。
「だああもう!かわいくねぇ!」
サイトは頭をかきむしりながら悪態をついた。いや、ミシェルは確かに美人でナイスバディだがいかんせん、アニエスのようにキャラがキツめにできているのがどうも玉に傷だ。
『サイト、一人で行かせたら彼女が危ねぇ。行ってやれ』
「大丈夫、言われなくても行くつもりだ」
ゼロも彼女の行動を機にしたのか、サイトに行くように伝える。当然サイトも見捨てるわけにいかず、彼女の後を追って行くことにした。
1階の階段から見て左の廊下を行くミシェルはようやく一人で行動することができて肩の荷が下りた気持ちになった。
「まったく、隊長は何を考えているんだ。私とあのような小僧を組ませるなど…」
アニエスの意図が読めないミシェルはサイトがいないことをいいことに、彼の前以上に愚痴をこぼしていた。いったいなぜアニエスは自分とあの平民の子供を組ませてきたのだ。
「…いや、今はそんなことはどうでもいい」
ミシェルはサイトのことなど頭の片隅からも追い出すように忘れようとした。
そうだ、自分には何にも代えられない大切な使命がある。その使命を胸に自分はここまで生きてきたのだ。
ミシェルは、今のトリステインの腐敗ぶりについて怒りを覚えていた。
平民と貴族という隔たりは越えられない、同じ貴族同士でありながら自分の方が上の立場だから、またはさらなる富を得るために…権力者が権力を乱用して弱者をいたぶり、殺す。そいつらは自分の罪を闇の中に葬り、人の命と未来を踏みにじって得た富をむさぼって今もど
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