任務-ミッション-part2/絶望の牢獄
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でもここにきて置いて行かれるということがあまりに不服すぎた。
「ミス・ヴァリエール。私がここで敢えてあなたに置いていく判断を下したのは、あなたを決して侮っているわけではありません。いきなり最初から全戦力を出すわけにいかないからです。万が一私たちが戻れなかったときの保険のためであること…。それにあなたの魔法は最後の切り札です。あなたの力が必要となったその時まで、その力は温存してください」
「……」
「そんな顔すんなってルイズ…大丈夫だ。俺がカタをつけに行く。な、デルフ?」
サイトは屈託のない穏やかな笑みを見せ、背中に背負っている相棒にも話を振る。
「おうよ。娘っ子、そこの隊長さんたちの言うとおり、今は精神力をためることに集中しな。おおっぴろにお前さんの切り札を出すもんじゃねぇ。最後まで取っておいてこそ切り札なんだ」
「…わかったわよ。…でもサイト、戻ってこなかったらお仕置きだからね」
デルフからの忠告を止めに、ルイズは大人しく待つことにした。
「ま、待ってください隊長!わ、私がこの少年と組むのですか!?」
一方で、ミシェルはサイトを連れて行くという言葉に信じられないといった様子だった。
「さっきも文句を言っていたが…やはり不満か?」
「…いえ、それが隊長の命令ならば」
部下二人ならともかく、こんな年下の少年を連れて行くということがどうしても気が乗らない。だがすでにアニエスから言い負かされたこともあるし、何より隊長命令だ。逆らうわけにいかなかったミシェルは大人しく命令を聞くことにした。
「では、我々はこの屋敷の包囲に入る。その後、先遣隊の支援役として突入部隊を編成し魔法学院生徒の救助を開始する」
「「「了解!」」」
かくして、サイトと銃士隊たちの合同救出任務は開始された。
「サイト…」
先に突入していくサイトとミシェルを見て、ルイズは大丈夫だろうかと不安を募らせる。
「サイトもこれまで陛下のために尽くしてくれた身ですが、まだ私としても信頼に足る存在かどうか測りかねてます。それを見極めるためにも敢えてあの二人で組ませたのです」
「サイトを試すってわけ?」
「はい」
まだサイトの実力については測りきれていないところがあるし、自分たちトリステイン人の人知の及ばないことをやってのけることについて、アニエスらはまだサイトに信頼を寄せきれなかった。だから敢えて、少々不和な空気を漂わせる二人を組ませることでサイトの力を試してみることにしたのだ。しかも今回の相手は、サイトの話だと…この世界の種族ではないらしい。奴らを相手にサイトがミシェルと共にどのように戦うのかを確かめることで、彼を見極めてみることにした。
「それで万が一のことがあったらどうするのよ!」
「無論手遅れにならないよう、私も自ら部下を率いて出向くつもりです」
これは危
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