任務-ミッション-part2/絶望の牢獄
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く返すとでも思ったか?」
「いや、…いや!!奴隷になんてけがらわしい!早く私を開放して!お父様たちが黙っていないわよ!!」
嘲笑うゴドラ星人。拘束された女子生徒は嫌がっていた。平民よりもさらに下賤な立場にある。そう認知している存在に、選ばれし貴族の出である自分がなるなんて冗談じゃなかった。しかし、言い返すようにボーグ星人が少女に言った。
「我々のような得体のしれない者に攫われ、奴隷に落とされるような奴を、貴様の親は助けてくれるのか?寧ろ目の上のたんこぶ、一族の恥だろうな…」
その言葉を聞いて、女子生徒は絶句した。
そう、こんなどこぞの誰とも知れない奴らに誘拐され奴隷に落とされる。彼女たちの親が子に対する愛情が強ければ怒り、助けに向かったりするだろう。だがこの国は貴族としての誇りやプライド、名誉を先行しすぎているところもある。故に不祥事を働いた子はもちろんだが、何者かも知られていない賊にやられた我が子を、死を憐れみ悲しむどころか、弱者だの家の恥と罵るということもあるのだ。女子生徒のこの絶望感からすると、彼女の親は命よりも名を惜しむタイプであるため、どうやら星人の言った通りになる可能性があると見られた。
「はははは!!何、安心したまえ。君を買い取りたがっている連中は君を重宝してくれるよ」
何の慰みもない、寧ろ罵りともいえる悪辣な言葉を吐いて星人たちは笑い出した。すでに自分と一緒に実験にかけられた男子生徒はすでに物言わぬ状態だった。やがて、女子生徒は希望を失ったように、自分もまたその目から光を失っていった。
ロビンはその光景を隠れたまま静かに見届けていた。ボーグ星人が再び部屋を出るところで、自分も見つからないように息をひそめながら部屋を後にした。
馬を走らせてしばらくたった頃。
既に時間は真夜中だった。
サイト・ルイズ・アニエス・ミシェル…そして銃士隊の隊員数名は事件の現場にたどり着いた。建て直されたと聞いていたときはきっと前と全く異なる姿となる予感がしていたが、そうでもなかった。噴水や庭に植えられた木々の配置、屋敷の形…以前サイトが来訪したときとまったく同じだった。
「おい君たち。ここは…ぬ!」
「何をする…ぐ…ぅ」
当然見張りの門番がいたのだが、彼らはすばやく自分たちの懐に飛び込んできた銃士隊の隊員たちに取り押さえられ、意識を手放した。
「隊長、屋敷の周囲の見張りは全員拘束しました」
「そうか。ご苦労。そのまま奴らを監視しろ」
「はっ!」
アニエスの指示のもと、気絶させられた屋敷の兵たちは銃士隊の隊員たちによって全員拘束された。
「またここに用があるなんて思わなかったわね…」
ルイズは屋敷の外観を眺めながら呟く。以前はシエスタ一人、それも別に怪獣や星人が現れるような事態が起きていたことがはっきりとわかっていたわけ
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