任務-ミッション-part2/絶望の牢獄
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マをしたパターンを恐れたこともあるし、モンモランシーは戦場で命を散らすことが名誉だと主張する貴族の男たちの主張は理解できないタチだった。だから命と隣り合わせになるようなことは絶対に避けたかったのだが、ここでじっとし続けるのも同じくらい嫌だったから、やる気を出さざるを得ないのだ。
(頼んだわよ、ロビン…)
モンモランシーは目を閉じる。その瞼の下に映る景色は、すでに廊下に出ているロビンのものになっていた。
「ふぅ、お姉さまと鉢合わせしなくてよかったわ」
ルイズがぽつりと独り言をつぶやいた。
ジャンバードに到着したサイトたちは、コクピットに急いだ。サイトにはガンダールヴのルーンがあるおかげで、ある程度の操作方法は手に取るように理解することができた。
「ジャンバードがあってよかった。こいつがなかったら、さらわれた学院の皆の生体反応を正確に追うことなんてできなかった。助けるのがもし遅れると思うと…ぞっとするよ」
サイトは操作しながら呟いた。以前はアンリエッタの身に起きた事件をこのジャンバードのサーチシステムのおかげでいち早く気付くことができた。もしこれがなかったら、場合によってはアンリエッタはアルビオンの…レコンキスタの陰に隠れた邪悪な者たちの魔の手に落ちていたかもしれない。それを、もとはレコンキスタの手に落ちたこの乗り物のおかげで窮地を脱することができたなんて、奇妙な皮肉さを覚えた。
さっそく起動させると、画面にトリスタニア周辺地図が表示された。
「生体堪能…探知開始」
サイトが捜査を続けると、トリスタニアの位置を示す現在位置から東の方角、魔法学院から少し北の方角にある位置に、奇妙な反応を探知した。
「場所は……モット伯爵の屋敷跡か」
「モット伯爵の…!?でもあそこは…」
ルイズとサイトは、モット伯爵の屋敷には覚えがある。シエスタが妾として伯爵に招かれたのがきっかけとなって来訪したことがある。しかし、ノスフェルの攻撃で伯爵は殺され、屋敷も破壊されたはずだ。
「ああ。伯爵の屋敷が怪獣の襲撃で崩壊したことは知っているようだな。その事件の後、新しい領主を招き入れるために一流の建築業者とメイジたちを使って屋敷を立て直したのだ。すでに新しい貴族がお住まいになっている。だがこの流れだと…」
「その新しい領主も黒のようですね。モット伯爵も女相手の手癖の悪さは私も聞き及んでいましたが、今度はそれ以上だ」
ミシェルが苦虫を噛み潰すような表情を浮かべながら言った。
「あそこに、捕まった人たちが…」
人間を誘拐する異星人に対して、サイトやハルナは思うところがあり過ぎた。人間を実験動物扱いする。その屈辱と痛みを受けた者としては無視しきれない。
「………」
ミシェルは疑わしげにサイトの後姿を見やる。事情を知らない者から見れば当然の反応だった
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