任務-ミッション-part2/絶望の牢獄
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れは……!」
サイトの言葉で、なんとか冷静になって考えると、ルイズもミシェルの言い分の意味が分かってきた。それ以上何も言わなくなった。
「ミシェルさん、無理に俺たちのことを信じようとはしなくていいです。けど、騙されたと思って着いて来てもらえますか?」
「…ふん」
サイトから同行を促され、一同はいったん王立アカデミーの敷地内にて保管されているジャンバードへ急いだ。
ルイズやアニエスに与えられていた権限のおかげもあって、彼らはなんなくジャンバードへ足を運ぶことができた。
そんな彼らを、見ている者がいた。
(チビルイズがどうしてここに?それに、あの子について言ってる連中は確か…)
ルイズの姉にして、アカデミーの研究員でもあったエレオノールだった。アカデミーのエントランスにて、人ごみの中から妹の姿を遠くから見つけた。
ルイズが彼女自身とは無縁であるはずのこのアカデミーになぜ立ち寄ってきたのかが気がかりだった。それに最近陛下直々にシュヴァリエの称号を与えられた、アニエスとかいう女もいる。平民ごときが貴族の称号を得る、貴族としての気位がルイズ以上に高いエレオノールにとって許しがたいこと。アニエスたち銃士隊のことも快く思っていない。そんな気に入らない連中とつるんでいる妹の意図が読み取れなかった。
(あの機体はあの妙な平民の男が調べていたはず。でもあのチビルイズと成り上がり風情が…)
それに、ルイズの傍らには他にも、あの不思議な男と同じ黒い髪と黒い目の男女二人組がいる。見たところあの男とさほど変わらない若さだ。目に映る光景に隠れた真実がますます読めない。エレオノールはシュウの時と同様、後をつけてみることにした。
その頃…さらわれた魔法学院の生徒たちは…
地下の牢獄に閉じ込められた彼らは静かにしていた。いずれここから出してもらえる。そんな希望的観測を抱きながら、彼らはここから出られるときを待ち続けた。迂闊に騒いでも殺されてしまうだけで何の得にもならないというレイナールの指摘で、全員出してもらうまでは大人しくすることにした。
その時、扉が再び開かれ、さっき同学生たちを無残に殺した星人が姿を見せた。
「出ろ。そこの5人からだ」
適当に目に入った5人の男女の生徒を指さし、手招きする。しかしそれを不満に思ったのか、違う男子生徒が口を挟んできた。
「おい!先に僕らを出してくれよ!僕の家はそいつらよりも上の上流階級なんだぞ!」
「何言ってんだ貴様!誤解を招くようなこと言うな!」
「なんだよ!先に出してもらえるからっていい気になりやがって!」
つまり、自分を先に助けろと言っているのだ。どちらにせよ、自分が助かることばかりを考えて周りのことを一切考えようともしていない。人間が自分の生存本能に従い、生き抜こうとするのは決して間違いではない
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