IF 完全平和ルート
偽装結婚シリーズ
偽装結婚の舞台上
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「けど、後悔すると思うぞ。もっと可愛くて気だてのいい娘さんと結婚すればいいのに」
「……なら訊くが。貴様、離婚が成立すればどうするつもりだったんだ?」
「特に予定はなかったな。お前の結婚式には祝儀くらい送ってやらねばと思ってはいたが」
くすくす、と笑い声がして、視界に映る肩が揺れる。
「全く……。数年だけ付き合わせて、それから綺麗さっぱり離婚してやろうと思っていたのに。お前が駄々を捏ねたせいで上手くいかなかったじゃないか」
「そこまで貴様の思惑に付き合ってやる気はないからな」
「ははっ、だろうな」
そっと手を伸ばして黒髪を梳いてみせれば、体は震えたものの振り払われる事は無かった。
もう追いかける必要は無い。手を伸ばせば、届く範囲にいるのだ。
長年渇していた心が満たされる。
――伸ばし続けた己の手は、求め続けていた存在を捕える事に成功したのだから。
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