01 再会
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「おいおいマスタング大佐さんよ、俺ぁ生きてるタッカー氏を引き取りに来たんだが…死体連れて帰って裁判にかけろってのか?」
イーストシティのとある豪邸の一角で、スクエア眼鏡の男、ヒューズ中佐が苦い顔でぼやいた。
親指で指す先には大きなシート。そこからはみ出した人間の腕は既に体温を失って、血の海の中に力なく投げ出されている。
傍に立つ大男、アームストロング少佐も無言で訴えた。これはどういうことか、と。
検死するために東部まで来たんじゃない、という愚痴にロイは前髪をぐしゃりと潰し、こっちの落ち度は判っていると苦々しく答えた。
「とにかく見てくれ」
シートに覆われた遺体は人間と、何か大型の獣のもの。そしてそのどちらも明らかに普通の殺され方ではなかった。
「うええ…案の定だ」
シートを捲り覗き込めば、血みどろの遺体。
曲がりなりにも軍という組織に身を置き、過去には大規模な戦場を経験しているだけあって、人間の、それも無残極まりない死体などそれこそ数え切れぬほど見てきた彼らであっても、あまり目にしない、したくもないそれは。
「外の憲兵も同じ死に方を?」
「ああそうだ、まるで内側から破壊されたようにバラバラだよ」
このタッカー邸の門に立っていた憲兵も、頭部を中心に原型もろくに残さぬほど滅茶苦茶に破壊されていた。
普通の人間には、こんな殺し方は出来ない。例えば喉奥に爆薬でも詰め込んで爆破すれば、あるいは似たような遺体を作ることは可能かもしれないが、そんな方法を取ればそれなりの証拠が残る。爆発物の破片、痕跡、そんなものは検死ですぐ分かる。あるいはロイたちのような軍人ならば、遺体を検分した時に気付くだろう。
―――そう、これは『普通の遺体』では無い。こんな殺し方が出来るのは。
「どうだ、アームストロング少佐」
「ええ間違いありませんな。 ……“奴”です」
厳しい顔でアームストロング少佐が答えた、奴。こんな風に、酷く惨い殺し方をする連続殺人犯。現在この国内で国家錬金術師ばかりを狙う危険人物―――傷の男。
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再 会
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「生きて生きて生き延びてもっと錬金術を研究すればボク達が元の体に戻る方法も…ニーナみたいな不幸な娘を救う方法もみつかるかもしれないのに!」
右腹部を中心に大きく抉られた空っぽの鎧の体で、少年が叫ぶ。
「それなのにその可能性を投げ捨てて死ぬ方を選ぶなんて、そんなマネは絶対に許さない!」
鎧に表情など無い筈なのに、エドワードには必死に真剣に怒る表情が目に浮かんだ。
確かにもし立場が逆であったなら、自分も許せるはずもない。
怒りに任せて強
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