第5話
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士の誰もが願う夢だった。
エリダナに移住しある程度生活するための支度金を貯めている最中なのである。
「たが危険すぎないか?」
「博打ですが…………何があっても、逃げ切れる自信はあります」
「あの咒式か」
彼の断言に、ガユスは頭を掻く。ヤザワの自身の源に理解があった
ヤザワの得意咒式の一つを、ガユスは思い出す。
賢明な読者諸君の方々にはお分かりになることであろう。
重力力場系第六階位瞬速転移(シュン・ポー)である。ありていに言えば、自身の周囲の空間を、都合のいい物理法則に変換する咒式である。
応用すれば、操作する空間の広さをある程度変えられることができた。
とは言っても三人か四人程度が入ることができる程度の広さである。
つまり、護衛対象が二人程度までならば、何があってもどこか安全なところまで移動することのできる咒式なのである。ヒナギにある流派の秘伝咒式なだけはあった。
つまりある程度の保証はできるバクチである。
だが、王族の護衛だ。失敗すれば、死ぬ程度ではすまないであろうことは予想できることだった。
難しい問題を前に唸るガユスを、ヤザワは見つめる。
ガユスには、お前が決めろと、ヤザワの糸目が言っている気がした。
数分頭に手を置いて、彼は悩み続ける。
その後、憂鬱そうに肩を落とす。
「いい加減。ホテル住まいは卒業したい」
疲れたようなため息を吐く。心持が決まったようだった。
表情を改めて、ガユスはヤザワを連れて、部屋の中へ入っていく。
そこで待つ軍人の男へ、言葉を投げかける。
「話し合いの結果ですが、この依頼受けさせてもらいます」
彼等はハオル王国の王城へと向かうことになる。
そしてある意味で運命ともいえる邂逅となるのだった。
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