暁 〜小説投稿サイト〜
されど世界を幸せに踊りたい
第5話
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
えた魔杖剣〈断罪者ヨルガ〉から化学錬成系第一階位光閃(コヴア)が発動。六十万カンデラルという光量をもつ小太陽を生みだした。
 すでに備えていたガユスとヤザワを除いた全員が視界を喪失。
 ヤザワが短刀を抜いて突撃。敵を打倒していく。
 最後の男がようやく、ヤザワの接近に気付き、魔杖剣を構えて防御。
 ヤザワの魔杖短刀〈骨喰藤四郎〉から薬莢が排出。
 防御に構えた魔杖剣を短刀がすり抜けて、男を気絶させた。
 数法量子系第五階位筐内存在無確率〈シュエレッティンガー〉で量子力学的制御により自身の存在確立を0に近づけて、防御不可能かつ絶対回避する脅威の存在になったのである。
 戦闘の後にも関わらず、部屋は傷一つついていない。実力差が現れているようだ。

「ガユスの不運が、強盗を運んできました」
「俺のせいか!?」

 ガユスは理不尽を叫ぶ。次の時には、扉がなくなった入り口に、目を向けた。

「明らかに其処にいる奴のせいだろう」
「お気づきになられていましたか」

 入り口から、軍服を来た黒肌の男が現れた。
 ガユスは前に出て、ヤザワは後ろに下がった。交渉事はガユスの担当のようだ。

「娯楽小説に出るような、実力の試しかたまでやって、何のようだ?」

 ガユスの嫌みったらしい質問に、軍服の男は静かに頭を下げる。

「依頼を一つお願いしたいのですが」

 男の言葉を聞いた二人は互いに目配せをした。
 二人の心中は全く同じ、
(これ絶対厄介事だ)
 と言うものである。





 ガユスとヤザワは現れた軍服の男と向き合っている。
 打倒された男達はホテルの入り口に移動していた。
 机を挟んで軍服の男の前に、ガユスとヤザワが座っている。

「で、ハオル王国の軍人様が、我々にどのような御用でしょうか?」

 痛烈な皮肉を混ぜてガユスが、軍人に言い放った。
 男は無表情のまま受け止める。

「実は我々の王であるリベス二世様が、あなた方にお力をお借りしたいと申しております」

 ちらりと一度ガユスとヤザワが目を合わせる。その後、話を促すように、軍人に視線を戻した。
 彼の依頼は、ハオル王国のアラヤ・ウーラ・ハオル王女殿下の護衛をしてもらいたいとのことだった。
 無論ハオル王国にも王家を守る近衛兵たちはいる。だが最近きな臭く、彼らだけでは不安になってきた。
 念には念を入れて、王女を守る護衛を任せたい。それが彼の言い分だった。

「期間は半年程。その間の衣食住は無料。期間の間何もなくても護衛相場の報酬を。何かあったときは、最低でも相場の二倍はお支払いします。さらに、」

 懐に手を入れて、携帯端末を取り出した。その画面から立体映像が、映し出される。映像にはある本が、浮かび上がって
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ