第9話 感知
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、このように持っている者たちが値段を釣り上げて金を搾り取ろうとしている。
佐天は、最初は他人のフリをしようと離れるべく踵を返した。
しかし、口論だけでなく鈍い音と共に男性の「がふっ!!」という声が聞こえてくれば話しは別だ。
オカッパ頭の男の人も自分と同じ
能力がないことで苦しんでいる人
自分は運よく手に入れたが、もし手に入れてなかったら……
そう考えてしまうと足取りは重くなる。
良心の呵責に足を止めて争いの場へと身体は赴いていた。
「もっ、もうやめなさいよ!その人ケガしているし」
自分が出ていっても何もできないことなんて明白。
理性的に考えてもそれは自明の理だ。
でも、口から出るのは「すみません」とか「ただの通行人です」のような穏便に済ます言葉ではなく、相手を逆なでするような言葉だった。
「す……すぐに警備員(アンチスキル)が来るんだから」
われながらバカなことを口走ったと思う。
でも、見過ごすことはできないで目を瞑って震えていた。
白い髪をしたリーダー格の不良が佐天に脅しの蹴りを入れた。
改めて自分がしたことの行動を後悔するようになった。
「今なんつった?」
「あ……あ」
髪を掴まれて、自分の選んだ結末に後悔の念が強くなる。
「ガキが生意気言うじゃねーか。何の力もねえ、非力なヤツにゴチャゴチャ指図する権利はねーんだよ」
その通りです……
私はまだ子供です
ち、力もないバカな女です
佐天は自分の身体が冷たくなるのを感じた。
気づいていないが、前に人形から付着していたチャクラが馴染みだす。
佐天の身体に付着したチャクラが呼応して佐天の目元にうっすらと赤い隈取が表れた。
「!?」
佐天は一瞬だけ相手の生命エネルギーのようなものを感じた。
足元に生えている草花やオカッパ頭の人の気配。命の感覚が佐天の五感を強く刺激してパニックになる。
そして次の瞬間には自分の体温が急激に冷えていく感じがした。
空気の流れは刺すような鋭利なものとなり佐天の身体を中心に広がる。
これは後悔?
それとも恐怖?
佐天の周囲に風が起こり、周囲の熱を奪っていく。
佐天だけではない。
回りも人間の体温すらも冷えていく。
それは、夏に吹く風のような些細な変化。
しかし、しだいに隈取は消えていき佐天は普通の様相に戻った。
身体の変化に対応する余裕はなく、現在不良に絡まれていることへの対処が先行する。
佐天が感じたこの不可思議な体験は、御坂達だけでなく、サソリすらも驚愕させる領域へと踏み出した最初の一歩だった。
******
サソリは暁の装束を身にまといながら、病室でチャクラの感知を試みていた。
オレと同じような境遇のものはいないか?
それに御坂達が使っている能力にはチャ
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