第9話 感知
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ていただろう。
きっと傀儡を操っていればコツがつかめる気がする。
「傀儡でも弄りたいが、道具がねえし。第一傀儡もねえ」
その辺の人間を殺して、前みたいな生活に戻そうかとも考えた。
しかし、それを考えるとあの四人の顔が浮かぶ……
救急車のサイレン音が近づいてくるのが聞こえ、視線を街道に落とす。
「あんな感じで位置情報が特定できりゃ良いんだが」
あれは音を出すという特性で振動数の違いから距離を計算すれば場所がはじき出せる。
「オレの傀儡にもそんな装置を付ければよかったか……あ、そういや壊されたんだっけ」
今、考えるとイラついてきた。あの娘に大蛇丸の情報なんか渡さなかったら良かったな。
ああいう、変に威勢がいい奴には完膚無きまでに叩き潰してやりたかった。
臓物を出して、命を自分の手のひらに燻らせる瞬間を想像する。
そして、綺麗に洗って仕込みを入れれば完成だ。数多の死体を相手に傀儡を作り戦場へと身を置き続けたサソリは、思惑通りにいかぬ現状から逃げるように過去の記憶を再生させた。
******
『幻想御手(レベルアッパー)』か
最初はあたしでも能力者になれる
夢のようなアイテムだって思ったけど
苦労して身に着けるはずの能力を楽に手にしようってのが
褒められた事じゃないのもわかる
でも
努力してもどうにもならない壁
佐天はレベルアッパーについての話し合いからひどく精神が不安定になっていた。
超能力になれることを夢見てやってきた学園都市で
何度も何度も期待を打ち砕かれた『才能なし(レベル0)』の烙印。
見た目では変わらないのに、自分には備わっているはずの超能力がない。
家から出て、初めて感じた天才の存在に自分の存在がかき消されるどす黒い嫉妬。
能力がない自分を呪った。両親を責めてはいけないが落ち込んで呪い文は吐いたこともある。
そんな自分が嫌で手に取った「レベルアッパー」
使えば何かが好転するかと思ったが……味わっているのはエタイの知れない恐怖感。
佐天は当てもなく、都市の道をフラフラと力なく歩いていた。
そしてとあるビルの工事現場へと着いたときに不意に聞こえる大きな声に肩を大きく震わせた。
「そんなっ!話が違うじゃないかっ!」
覗いてみると、オカッパ頭のぽっちゃり系の男性と三人の素行が良くない不良が揉めているようである。
「10万でレベルアッパーを譲渡すると言ったじゃないか。冗談はよしてくれ」
レベルアッパーという単語に思わず耳を澄ませた
「悪いがついさっき値上げしてね。コイツが欲しけりゃ、もう10万持ってきな」
「ふざけるなっ!だったらその金を返してくれっ」
元々、幻想御手(レベルアッパー)は公式のものではない。
現在では、サイト管理の業者に連絡してダウンロードができなくなっており
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