機動戦艦ナデシコ
1258話
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ロンガ改にエネルギー切れはない。あの機体の動力炉はブラックホールエンジン……一種の永久機関だからな」
その言葉を聞き、エリナの表情が唖然としたものに変わる。
「……え? 今、何て?」
そして口に出たのは、何か信じられないとでも言いたげな、そんな言葉。
何だ? 確かに驚かせるつもりではあったけど、ここまで驚くような事か?
それこそ、まるで幽霊にでも会ったかのような……そんな表情。
どうなっている?
だが、次の瞬間にはエリナの視線は今まで以上に厳しいものになっている。
「どういう事!?」
そして、次の瞬間には椅子から立ち上がって、ベッドに座っている俺へと向かって距離を縮め、襟首を強引に掴んでくる。
何だ? 何だっていきなりこんなにキレている?
取りあえず、これ以上エリナを興奮させてもこっちにいい事は何もないのは事実。
だとすれば、出来るだけ落ち着かせる必要がある、か。
「落ち着け、何がだ?」
「何がだ、じゃないでしょ!? 何よブラックホールエンジンって! あんたの機体を作った人はネルガルから機密情報でも盗んだの!?」
今までは貴方だったのが、余程に興奮している為だろう。あんたへと変わっていた。
いや、それどころじゃなく……今のエリナの慌て具合や、言葉から考えてナデシコの動力炉ってブラックホールエンジン……そこまでいかなくても、似たような重力を使った代物だったりするのか?
だとすれば、俺としては嬉しいような、悲しいような……正直、微妙なところだ。
そもそも、自慢じゃないがシャドウミラーの持っている重力系の技術は非常に高い。
だというのに、この世界で得られる技術が重力系の技術だとすれば……いっそ、早めに切り上げて帰った方がいいかもしれないな。
そんな風に考えながら、エリナを落ち着かせるように言葉を掛ける。
「そんな筈はないだろ。そもそも、ネルガルってのは世界でも有数の企業なんだろ? そう簡単に機密情報を盗める筈がない」
「じゃあ、何でよ! 何でブラックホールエンジンなんて代物があんたの機体に使われてるのよ!」
「偶然。そう考えるべきだろうな」
「偶然? ……そんな偶然なんて……」
そこまで呟き、ようやく自分が俺に迫っているのに気が付いたのか、少し恥ずかしそうにしながら俺から離れていく。
さて、どうしたものか。
ミロンガ改に使われている重力系等の技術をどうやって誤魔化すか。
そうなると、テスラ・ドライブとか、ASRSとか、エナジーウィング、関節部分に使われているPS装甲といったシャドウミラーの機密情報を知らせる事も考えないといけないか?
だが、それは困る。
シャドウミラーの技術的な優位性を台無しにする可能性がある。
だとすれ
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