二十七話:ホテル
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ドが飛ぶことができるがそれだけの時間を確保できるとも思えない。
「……分かった、引き付けておいて。ただしあくまでも時間稼ぎとして引き付けておくのよ。一気に倒すとなるとあんたごと吹き飛ばしかねないから」
「オッケー、それじゃあ行くよ!」
他に道がないと覚悟を決めティアナはスバルに指示を出す。ニッコリと笑顔を作ったスバルはガジェットの近くを通りわざと敵のレーダーが自分に向くように仕向ける。その数は四機。
当然それだけのガジェットに銃口を向けられれば逃げ場は限られてくる。前も横も後ろも塞がれた。ならばどうする。簡単だ、上に逃げればいい。スバルはウィングロードを創り出し空へと駆け出す。これによって相手の一撃目は躱すことができた。だが、それは悪手だった。
「馬鹿、スバル! 空に逃げたら今度こそ逃げ場がないじゃない! 早く私達の援護が届く範囲まで降りてきなさい!!」
自由に宙を飛べれば一見全方向に動けるように感じられどこにでも逃げ場があるように感じられる。それはあながち間違いではない。そう、自由に飛べればだ。ウィングロードを走ることで空を駆けるスバルに自由は少ない。姉のギンガや亡き母クイントであれば何本ものウィングロードを創り出すことで相手にどちらに向かうか悟らせないことができる。
しかしながら修行中のスバルでは一本が限界。これでは自分の進行方向に待ち伏せをしていてくださいと言っているようなものだ。地上にいる時よりも逃げ道が狭まってしまう。それを理解しているためにティアナは悲鳴にも似た叫びをあげているのだ。
「う、うん。わかった」
スバルも飛び上がってから同じことに気づいたらしく顔を青ざめさせて下に降りようとする。だがその時、彼女は見てしまった。自分から離れてホテルに向かう、民間人に危害を加えかねないガジェットを。
「ちょっ! スバルッ!? キャロ、ちび竜、あいつを止めて!」
叫ぶティアナを無視してスバルはホテルに向かう一機に突進していく。すると相手も気づいたらしくこちらを向く。それだけなら喜ばしいことなのだが後ろにはしっかりと残りの三機がついて来ている。要するに挟まれてしまったのだ。
この危機的状況から脱するには球状にバリアを張り身を守るか、横に逸れて全力で逃げ出すかのどちらかだろう。だが、スバルの選択はそのどちらでもない目の前の敵を破壊することだ。防御などしない。逃げもしない。
ただホテルにいる民間人を危機から遠ざけることしか考えていない。その結果自分が撃ち落とされてもしかたがないだろう。一つだけ気になるのは後ろの敵だが、それは仲間に撃ち落としてもらおう。丁度固まっている上に今は自分の方を向いていて背後は死角になっている。倒すには最高の状況だ。
「ティ
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