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IS〈インフィニット・ストラトス〉駆け抜ける者
第1話
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庫だったり。

「因みに、君ならどうする?」
「俺?…俺だったら…、機動力重視かな」

どれだけ火力を高めようと、命中しなければ意味がない。

故に、重視すべきは、縦横無尽の高い機動力とそれに耐えうる装甲強度であろう、と俺は思う。

「武器は?」
「あくまで俺が使役する前提なら、機体そのものに備え付けられてる物だな」

備え付けられてる武器なら、逐一変える手間が省け、狙いがつけやすい。

無論、攻撃が察知されやすい難点はあるだろうが、十分補える。

「例えば、両手の甲の球状の武器からエネルギー波を出してみたり」

その上で、左右で運用法を手数と破壊力で分けたり、直接拳や脚、全身に纏わせたり。

「それだけじゃ、少し弱くない?」
「前提として超機動力とその安定に重きを置いた仕様だからな」

繰り返すことになるが、当たらなければいいのだ。

「ふむふむ、中々凝ってるね…。でも、僕のアイデアも聞いてもらって良いかな?」

俺は、ソイツのアイデアに耳を傾ける。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ソイツのアイデアを、採用したり拒否したりした結果、こんな仕様になった。

・機動力及び機体強度重視。
・武器は両手の球、左が連射、右が収束弾。
・単一仕様にハイパーモード。一定時間能力を上昇。
・胸部と腰に装甲追加。
・機体色は濃紺。ハイパーモード時は金。

仕上がった内容を見てみれば、中々楽しそうな機能になっている。

「これなら、大半のISと互角以上に渡り合えるかもな」
「でしょー?…でさ、もしもの話なんだけどさ、この機体を持ってISの世界に転生出来るって言ったら…、行く?」

最初は得意気だったソイツは、神妙な態度で突拍子もない問いを出してきた。

「行く行かない以前に行けないだろうが。二次元の世界だぞ?」
「…行けるよ」

頭沸いたか?コイツ。

「ここに、二つ『カプセル』がある。赤いのと青いの。青いのを飲めば、何もかも全部忘れて、新しい人生を歩める」
「…赤い方は?」
「『君の知らないISの世界』へ。知識と動かし方と機体を持って」

差し出された二色のカプセルと水の入ったコップ。選ぶ前に、どうしても聞いておかねばならぬ単語が一つ。

「俺の知らないIS?」
「君が行くと物語にイレギュラーが生じる。それは、どうなるか、何が起こるのか誰にも予測できない」

もしも俺がISの世界に行けば、本来起こり得ない出来事が発生する、か。

「どちらにせよ、答えは出てたけど」

『青い』カプセルを手に取り、口に水と共に流し込む。

「悪いな、どうも俺にはその手の話に興味が出なくて…、な」
「大丈夫、分かっていたから」

カプセルの効果か、眠くなってきた
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