29話 ギレンの遺産 2.21
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ていたからな。丁度いい」
2人は目的の格納庫のドアへ辿り着いた。するとそのドアが勝手に開き、中からオクトバーが迎えに出てきていた。
「お疲れ様ですアムロさん、シャアさん」
オクトバーが2人に握手を求めてきたので、2人とも交わした。
「ところでオクトバーさん。親父は?」
「ああ・・・、あちらです」
オクトバーが指を指すとテムがそこに立っていた。技術スタッフにあれやこれやと指示を出していた。
その傍にはスタッフが今も整備している白い巨体があった。アムロがテムに声を掛けるとテムが気が付いてニンマリと笑った。
「どうだアムロ!このガンダムは」
「ああ、とてもきれいだな」
アムロはまさかまたこのガンダムを見ることになるとはと感慨深かった。
「アレックスのデザインをほぼ引き継ぎながらも各所をサイコフレームで設計した最高傑作。RX-93νガンダムだ」
そうテムがアムロに伝えると、アムロはその隣の深紅の機体を見て唖然とした。
「な・・・なんでこんなのが並んでいる!」
アムロの驚きにテムが高らかに笑った。
「ハッハッハッハ・・・。最早隠すこともないだろう。ジオン仕様の機体もアナハイムはノウハウがある。というよりもナガノくんがシャアの起源から立ち返って作ったのだよ。彼は赤い彗星だと。ナガノくんは多忙でね、この場に居ないが宜しく言っておいてくれと言っていたよ」
アムロの隣にいたシャアが満足そうな顔をしていた。
「この赤いのが私のだな。ギラ・ドーガの性能には感服した」
「ああ、こいつはそれを凌駕する性能だ。仕様としてはこのνガンダムと遜色ない。元々、ジオンで作ってあった試作機ヤクト・ドーガのバージョンを上げたものでもあるからな。MSN-04サザビーだ」
アムロはかのアクシズでの戦いを思い出していた。
忌まわしいシャアのモビルスーツだが、それが共闘する。これ程心強いものは無いと。
「ありがとう親父。これでエゥーゴとティターンズの戦いが終わらせることができる」
「そうだな。スペースノイドの自立をより強固なものにできるだろう。抑止力、防衛力としてはこのような機体は大事だ」
テムはアムロとシャアを見て頷いていた。
「・・・かの赤いのと一緒に息子が並ぶとは、時代も変わったな」
テムの言にアムロもそう思った。交じり合うことがあるはずがない両者がこの時代で見事に重なり合っている。前は何がまずかったのか、それを思い返してもアムロにはよくわからなかった。
シャアはテムの言に対して、感想を漏らしていた。
「・・・私は過去に囚われていた人間でした。しかし周囲の環境の変化が私の頑ななところを取り除いてくれました。ご子息にも大変助けられました。彼との出会い
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