29話 ギレンの遺産 2.21
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兵士達にざわめきが起こった。シロッコは話しを続けた。
「この戦争の勝者が今の連邦内であってはならない。政体は変わらない。連邦は敗者にならなければならない。人類が連邦を倒し、人類の革新の為!皆の力を私に貸して欲しい」
兵士らから「そうだ!連邦政府が体たらくだからこんな事態になっているんだ!」「政府を倒し、地球依存から解放するぞ!」など様々な歓声が上がっていた。
「諸君。私は常在戦場、陣頭に立ち、君らを導くことを確約する。成功の暁には君らが新しい世界を創るのだ。私はそれを期待している。以上だ」
シロッコは通信による演説を終えた。案の定ジェリドの思った通り、フロンタルの件は伏せられた。
通信士より「もうすぐア・バオア・クーに接舷します」との報告が入った。
ジェリドは気が付かなかったが、確かに肉眼でもア・バオア・クーを見ることが出来た。
「よし、最高の質量兵器だ。ア・バオア・クーを中央部で2分割して一つは地球へ、もう一つはルナツーへぶつける。そして、無力化し占拠。シーマ艦隊はソロモンの占拠だ。2個のブラフが防がれても最後にこのア・バオア・クーで仕留める。各自、事を的確に進める様に」
シロッコの号令で艦隊がそれぞれ動き出した。ルナツーとア・バオア・クーとの距離は地球の裏側にある。ア・バオア・クー程の質量がルナツーで貫く。残存艦艇らの被害と混乱が相当だと想定した作戦。
ソロモンは元々、手薄で1個艦隊で石ころの核パルスエンジンに火は入れられる。
次いで、ルナツーも同様に出来れば、3方位による隕石作戦となる。
コロニーよりも質量や比重の大きさが桁違いな石ころはあらゆるコロニーレーザーなども
問題としない。
進路がティターンズ勢力圏故に信号も掴まれながらも余り怪しまれることもない。彼らの神経は全てエゥーゴ、そして全てのコロニーに向いている為であった
。
カクリコンがジェリドに何か掴み切れないような表情で話し掛けた来た。
「なあジェリド?」
「なんだ」
「オレたちは結局悪役のまま終わるのかな?」
「お前の人相的にそんなもんだろ」
「茶化すな。市民弾圧から地球潰し・・・。救われないなオレら」
するとエマが割って話してきた。
「あら、カクリコンは何に救われたかったの?」
「いや、少しは正義の味方してみたいなあとか、善行詰んでないからさ。こりゃ地獄に堕ちるなってね。軍隊って敵から市民を守ったりするじゃない?真逆なことをして報われるよりは報いを受けるな・・・」
「因果応報ね・・・。大した人生送っていないし、これからも大したことできそうもないし。いいんじゃない、人類の敵っていうのも」
「おいおいエマ・・・本気で言っているのか?」
「全ては泡沫・・・
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