29話 ギレンの遺産 2.21
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、もはや死の星と化す。
スペースノイドの完全なる自立だ。しかし、資源も乏しい宇宙空間で一体どれだけの犠牲者が出るかは想定できない。
歴史上最大の悪行となるだろうとジェリドは息を飲んだ。それについてジェリドは反対しなかった。シロッコに付いて行くときに約束したからだった。しかし、他の将兵、カクリコンやエマはそうではない。
「中将・・・。皆が付いてきますか?」
「皆には了解は取ってある。寧ろ、この部隊の皆が地球にしがみつくことない自立派閥者で構成されている。私の選別した将兵に狼狽える者はいない」
「カクリコン、エマも知っているのですか?」
「彼らはお前から伝えるのだな。但し強いることはせんでよい」
「しかし・・・バスク中将が艦隊を持っています。彼らがいる限り、ルナツーやソロモンは抜けません」
「彼らはエゥーゴとの決戦前でこちらの動きなど関知していない。ダカール議会で決着を付けるために地球軌道圏内で布陣している。バスクのお抱えのほとんどだ。それにシャアのネオ・ジオンとサイド1からのロンド・ベル、そして月と地球からのエゥーゴ、カラバが集結して成り行き次第という様相を見せている」
「今回の議会でカタを付けると」
シロッコは軽く頷き、艦長席へ腰を下ろした。
「連邦は長い戦争で宇宙に住む者の要求を悉く跳ね返すつもりだ。そして移民計画を一からやり直す。サイドに住まう者達を強制的に従わせる。飲まないものは粛正される。その為のバスクの大艦隊だ。彼が全ての従わないサイドを破壊しつくす手筈だ」
すると、斥候から戻ってきたマウアー・ファラオ少尉が艦橋に入って来た。
「将軍。ア・バオア・クーの進路は本当にクリアでした。まるで墓場の様な雰囲気です」
「そうか、ごくろう」
マウアーはジェリドの隣まで歩み寄り、腕を組んできた。
「なあに、怖い話をしているのかな〜?」
マウアーは悪戯っぽい仕草でジェリドに話し掛けた。ジェリドはシロッコの手前、その腕について怒った。
「マウアー!上官の前だぞ。公私を弁えろ!」
「はあ〜い」
マウアーは少しふて腐れてジェリドから離れた。
マウアー・ファラオ少尉は地球で補充された新兵であった。教育役としてジェリドが指名され、手解きをするうちにマウアーはジェリドの男気に惚れていた。その様子にシロッコはクスクスと笑っていた。
「すみません。良く言い聞かせますので・・・」
「いや・・・、それぐらい和やかなことがあってもいいだろう。さて、このままコリニーの思惑で事が運ぶと、人類は過去最大の閉塞感に見舞われるだろう。それを止めるエゥーゴに助力する訳でもないが、我々も違う視点より彼らを攻めることが大事になってきたわけだ」
「・・・八方塞がりの様な
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