29話 ギレンの遺産 2.21
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がどう出るかはその時考え、シロッコが言う荒療治で人類が覚醒するか、または絶望に陥れられるか、どちらにせよパンドラボックスには役立つ。
例え100%でなくても、地球圏を破壊しつくせるだろうとフロンタルは踏んでいた。
フロンタルには完全なる破壊願望しか存在していなかった。しかも一挙に。
フロンタルはマ・クベを残し、研究施設を後にした。
マ・クベは気配だけを見送り、自分を嘲笑った。
「・・・フッ、私は何をしたいのか分からなくなっているな。一定の成功と一定の忠義、一定の遠望を見てしまった私は人生などつまらんものだと自覚してしまった」
では何故生き続けているのか?と自分に問いかけた時、トルストイの哲学の問いを考えた。
「人は何故生きるのか、だ。その答えを知ってから死ぬとしようか・・・」
人は究極な意義を求めようとすると、根本に立ち返るものだとマ・クベは思った。
それはきっとフロンタルも同義なのだろうと。
* ア・バオア・クー宙域 シロッコ艦隊 旗艦ドゴス・ギア
サラミス、マゼラン、アレキサンドリアと数多くの艦が犇めく中、それを凌駕する大型戦艦が悠々と星の海を巡行していた。
艦橋ではシロッコが立ったままで、後ろではおどおどしているジェリドが居た。
「ちゅ・・・中将・・・。ジオンの勢力圏ですが・・・」
シロッコの傍にいるメシアが仮面の下からクスッと笑った。シロッコはジェリドの狼狽えに叱咤した。
「ジェリド君!君は選別されたものだ。私の行動に失敗はない。それには裏付けがあるのだ」
「裏付けですか・・・」
「メシアがジオンは最早存在しないと悟っている」
「なっ!」
「私はメシアと会話ができる。彼女の能力はケタ違いだ。その彼女の力がジオンの消滅を示唆した」
ジェリドは唸っていた。理屈で分からない事を今までも体験してきたのだが、根拠がなさすぎる。
確かに自身の感性でもこの世界の危険を感知しているが、未だ対岸の火事の様な感覚でしかない。
「シャアとアムロ、そしてこのメシアでは既に世界を救いきれない状態になってしまっている。遡及性ある行動を私が礎になって世界の道標になるしかないのは前から話していたことだ」
「・・・ジオンの事はよくわかりませんが、端折り我々は何をするのですか?」
その質問にシロッコは答えた。
「ア・バオア・クーを地球へ落とす」
「!!」
「それと同時に各宇宙要塞の占拠とその小惑星を爆破破壊する」
「な・・・なんですと・・・」
「元々、あんな拠点があるから戦争など幅を持たせてはバカなことを考えるのだ。それを扇動する地球に休んでもらう」
質量ある隕石が地球を攻撃した際には天変地異クラスの災害に見舞われ
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