第36話
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思考である。
もはや彼らには劉備軍との一件も、寡兵を相手に無様に退却したように映っていた。
だがそれも無理からぬ事、そうなるように仕向けられていたのだから――
結局、止む終えずといった形で諸侯の一人に攻略を一任した。
袁紹がその気になれば止められただろう。総大将の名の下、上から押さえつける形で事態を収束出来た筈だ。
しかしそれをしては、ただでさえ脆い連合の結束に大きな亀裂が入る。
袁紹はもとより、次戦を任された軍にまで不満の感情が向けられるだろう。
それを良しとしなかった袁紹は、一時的に諸侯に任せることにしたのだ。
そうして向かえた二日目。立候補者が多かったためにクジ引きで軍を決め、攻略を命じた。
彼等は初戦後半のように水関を攻め立て、次々と内部に進入して行った。
単純な力押し。自軍の兵に自信を持っていただけあり、初戦の軍よりも華雄軍に損害を与える。
しかし、水関の門が開かれることは無かった。
日没と共に退いた兵の話だと、門前で華雄が精鋭と共に奮闘しているらしく。
水関の上ならともかく、内側では数の利が敵方にあるため攻めきれない――という結論に至った。
だが、門前まで侵入出来たという事実は他の諸侯を滾らせた。
あの軍が駄目でも自軍であれば――……
初日と変わらない考えの下、三日目の攻略に対しても立候補候補者で溢れる。
華雄軍が迎撃に成功しているあたり、手強いことは理解できる。
しかしかの軍は連戦で疲弊してきているのだ、うまくいけば漁夫の利に近い形で功を得られるかも知れない。
三日目、攻略を任された軍はまたもや力押しで水関を攻め立てた。
そして今までと同様、容易く内部に兵を進ませ――返り討ちに遭う。
ここまできて、ようやく諸侯も違和感と共に危機感を持ち始める。
四日目、何と連合は三軍で水関を攻め立てた。
戦力差を武器に攻撃することは軍儀でも案が挙がっていた。しかしそれをしなかったのは、桂花を始めとした軍師達に理論づくで反対されたからだ。
水関の内部で戦闘を行うのは混戦となる。様々な軍勢で入れば同士討ちの危険性が高く、指揮系統も混乱し軍として機能しない。そこを華雄軍に攻められ莫大な被害が出る恐れがある。
余裕が無くなって来ていた諸侯はこの反対を振り切り、三軍で攻撃を仕掛けたのだ。
そして軍師達の懸念通り同士討ちが多発、多くの被害が出た。
しかし人海戦術の破壊力も伊達ではなく、水関の上の制圧に成功。
残るは門だけ、というところまで歩を進め――
そこで華雄軍は今まで隠していた牙を剥いた。
ここまでの展開、全ては董卓軍の軍師賈駆
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