第66話 大型転送装置
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ちょっと…疲れちゃったけどね」
気丈に振舞うシエルだが、短い間に連続で起きた大惨事に最後に本音が出てしまう。
「外部より通信…人間の集落からです、回線繋ぎます」
ルージュが端末を操作して通信を繋げると、通信を繋げてきたのはネージュだった。
『…ゼロ…』
「…ネージュか…結局お前の言う通りだった、俺達が何を言おうと…やっている事はバイルと同じ戦争でしかない。俺達は…クラフトと戦うことしか出来なかった」
珍しく自分を否定的に言うゼロ。
クラフトの死は、ゼロにも何らかの変化を与えたようだ。
『ううん…ありがとう、ゼロ、ルイン、エックス様…。クラフトを止めてくれて…ありがとう…。』
そしてネージュもゼロの気持ちを理解して、苦悩の末に暴走したクラフトを止めてくれた事を感謝する。
世の中にはどうしようもないこともあるということをよく知っているネージュは、クラフトを止めることは出来ても、助けることが出来なかったゼロ達を責めるような事はしない。
ゼロ達もクラフトを救おうと戦ってくれたことくらいネージュは分かっていた。
穏やかな声で紡がれる言葉はゼロ達への感謝を表していた。
「さてと…クラフトを倒したことでラグナロクは止まって…ネオ・アルカディアはバイルの糞爺ごと消滅…これで、戦いは終わったのかな…?」
どことなくアリアの声にも疲労の色がある。
流石に底抜けに明るい彼女もこの惨事には疲弊したようだ。
「でも…地上も…人間も…レプリロイドも、多くの物を犠牲にしてしまった…。本当にこれで良かったのかしら、ゼロ…」
「…………」
あまりにも多すぎた犠牲にゼロも黙り込んでしまう。
それでも何か言おうとしたゼロだが、突如地上を襲った地響きに全員が体勢を崩した。
「うわっ!?な、何事!?」
「い、今のは一体…!?」
アリアとシエルの疑問に、何とか体勢を直したルージュが答える。
「…ラ、ラグナロクの副砲による攻撃です!!ラグナロクが再び動き出しました!!」
「そんな…バイルもクラフトもいないのに…!?一体誰がラグナロクを動かしているというの!?」
「オペレーター…!もう一度俺達をラグナロクに転送しろ!!」
「…駄目です!先程の制御室以外のエリアに接続出来ません!どうやらラグナロク中心部への転送回線にプロテクトをかけられたようです!このトレーラーにある転送装置の出力では、アクセスすら出来ません!!ラグナロク、加速を開始…まさか…この軌道は!?」
「…どうしたんだい?」
慌てるルージュに尋ねるエックスだが、その問いに返ってきた答えは最悪な物だった。
「このままですと…ラグナロクはエリア・ゼロへ落下する軌道に乗ります!何者か
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