最終12話 殺戮を欲する人格破綻者(サイコパシー)
[9/9]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き
「カリヒさ…お父さん」
リーナのぎこちない声が僕を呼ぶ。僕は机仕事を手っ取り早く切り上ながら彼女のもとに近づく。幸い、クロノスがリーナを臨死状態にさせた時の弾丸は子宮に触れることはなく、お腹の中の子供は無事だった。まさか、あの1回で妊娠するとは思ってもいなかったよ。
「今行くよ」
お腹を膨らませたリーナは朝食の支度を終え、リビングに待ちかまえていた。
「リーナ。食べ終わったら僕寝るよ」
「また徹夜したの?」
彼女のタメ口は新鮮だ。僕はリーナとの2人きりの新婚生活を楽しむため、あの6人には予算を使って追い出した。
SRAは僕達が大統領になった時に解散した。
奴隷制度が廃止され、学校を大量に作る計画を建てた。
その学校を作る仕事に元SRAのメンバーの一部を借りだしたのだ。
「まぁね。こうでもしないと、肉体労働をやっている彼らに示しが付かないからね」
僕は椅子に座り、彼女の作る朝ごはんを食べる。
『生まれ変わったら、平和に、カリヒさんと出会って、結婚して子供を産んで、死ぬまで隣に寄り添いたいです』
確かあの時、リーナはそんなことを言っていたかな?
食事を終え、僕はリーナの膨らんだお腹を擦る。
「君は。どんな子供に成長するんだろうな?」
僕はそういいながら、リーナの頬にキスをし、お腹に耳を当てる。
恐怖とはわからないということだ。
好奇心とはわからないものを探求する精神の事を指す。
どちらもわからないものに対する感情なのにもかかわらず、考え方一つで言い回しが変わる。
僕は幸せがわからない。SRAにいた頃、それに恐怖していたが、今では幸せを探求する好奇心に駆られる。
今、僕は幸せなんだ。これが幸せなんだ。
…終わり
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ