最終12話 殺戮を欲する人格破綻者(サイコパシー)
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ミレーナは呼吸を整えながらサジに八つ当たりでもするかのように耳元で呟く。
「うるさい。耳が痛い。はぁ。どっちにしろシャルラッハートよりもサイボーグから先に殺さないと、俺たちが死ぬぞ」
「サイボーグって殺すって表現であってますかね?」
フランカはサジに細かい指摘を求めた。サジ自体、細かいことにはうるさい人間なので、フランカの言葉には否定できずにいた。
「はぁ。サイボーグを倒す。それでいいねシャルラッハートは殺さないで捕獲だ。どうして此処にカリヒが来ていないのか疑問だな」
曲がり角からHWが左手の銃口を向けた。
『お前たちはGod Program に否定されている人間だ。ここで死んでもらう』
HWの懐にサジがは取り付き、左手の銃口を掴み、合気道の技で叩き落とした。回転するチェーンソーが右肩に掠め、血が溢れ出る。サジは固めを閉じ、痛みを我慢し、サイボーグの上に乗る。
「あのサイボーグの残骸を見る限り、投技で地面に叩きつけられていた。カリヒほど力は無いが、身動きは取れなくすることは出来る」
達成感を出しながらも、痛みを我慢し、精一杯の力でHWを抑えこむサジ。彼は自慢をせずにはいられなかった。
「ミレーナ。右手の回転ノコギリから壊してくれ。これが在ると俺は動きづらい」
ミレーナは了承の声と共にゼロ距離でガトリングを連射するが、回転銃の怒声でミレーナの声はかき消された。
「砕いた!」
腕付近の装甲を破壊し、弾が回路を傷つけ、チェーンソーの動きを止めた。
サジは一息吐き、力を少し緩めながら、
「今度は左の機銃だ」
と、言う。
ミレーナは声を上げてガトリングを持ち上げ、銃口を左に向け引き鉄に指をかけるが、サジはHWに吹き飛ばされる。続いてHWはミレーナに銃口を向ける。すかさずフランカはミレーナを庇うようにHWにショルダータックルを放ち、バランスを崩させ、空に弾道を向けた。
「ありがと、フランカ。さて避けな。最後の弾丸だ!」
ミレーナは微量の重みでもう弾が残り少ないことはわかっていた。HWの重量と反動でフランカは転がり落ちる。ミレーナは銃口をHWに押し当て、撃ちだした。これも又装甲を貫通し、回路を破壊し、HWの動きを止めた。
「さすがだな。君達は」
シャルラッハートは堂々と3人に近づいた。サジは倒れた状態で更に言葉の重みを物理的に感じて、呼吸を荒げていた。フランカは壁に寄り掛かるのが精一杯な様子。ミレーナは鈍感なため、ラスボス臭がする。くらいのリアクションで済ませ、ガトリングを捨て、シャルラッハートの服を掴み、地面にねじ伏せ、拘束した。
「おい。言葉如きでビビるなよ。私だって怖いって感じたけど、そこまででも無いだろ。サジ、男なんだからシャキッとしろ」
背中を強打したサジは痩せ我慢をして壁を伝って立ち上がる
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