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殺戮を欲する少年の悲痛を謳う。
最終12話 殺戮を欲する人格破綻者(サイコパシー)
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も、アーシャが泣いている姿を捉えることが出来るくらい、メリラの目は冴えていた。
「どうして見えるんですか?」
 鼻をすすりながらアーシャは答えた。
「いや。待って。まずはアーシャが泣いている原因から探ろうか。私当たっちゃった?」
「いいえ。メリラさんの姿がまるでリーナさんに似ていて…」
 アーシャは手の施しようがないほどに泣き崩れていた。ミカエルは持っているM16の銃口をドアノブと思われる場所に押し当て、引き鉄を弾く。
「ひゃ!」
 アーシャは銃声と銃が作り出す火花に声を立てて驚いた。
「落ち着け。あなたそんなんでカリヒさんによく叱られなかったわよね?」
 メリラはアーシャの頭を撫でながら言う。
「開きました!」
 ミカエルは銃弾で壊した扉を蹴り飛ばしながら言うため、その声は荒々しく聞こえた。
「では!ひゃ!」
 扉の向こう側の空間に足をつけようとした瞬間、ミカエルの足は取られ、転がっていった。
 そう。そこは階段だったのだ。
「ミカエル?」
 メリラはすぐにミカエルの体をつかみとり、落下を防いだ。
「大丈夫?ってここ階段なのか…駄目よ。迂闊に前方を確認しないで暗いところを歩いたら」
 メリラの大人びた言葉に、ミカエルは呆気にとられた。
「突然どうしました?話し方も変わって…」
「ん?」
 メリラは気づいた。自分の喋り方、声の出し方全てが変わっている事に。
「なんだろう?」
 

「ねえ。どうして僕に言うの?」
 敵は機械だ。しかし彼はまるで人間の口ぶりで僕に大統領にならないかと聞いてきた。まあまともに答えるつもりはない。
『君には感応現象と呼べる普通の人間とは別の力が備わっている。わかるかい?』
「知っているよ。僕には人を惹きつける能力がある。でもそれは僕だけだと発動しない能力なんだ」
『具体的に言ってくれ』
「能力を具体的に説明なんて無理だよ。元々能力は抽象的なものだからね」
『まあ、能力についてはどうでもいい。君は私に選ばれたのだ』
「いや。でも大統領は僕には荷が重すぎる」
『リーナはどうして死んだと思う?』
 機械はまるで僕の弱みを握るような声で問う。その言葉も笑っているように聞こえる。
「君は機械のくせに学習しないな。口ぶりは良く言えば自信過剰で、悪く言えば自己中心的だ。だから僕は君のことが好きになれないよ。それで、もし君が僕を本当に大統領にする気が在るならもう少しいい口説き方ってものが在るだろ?」
 まるでサジみたいな性格だな。
 僕はその部屋の重要機密が詰まっていそうなパソコンの上に堂々と座る。僕くらいの体重であれば壊れることはないが、明らかに物持ちは悪くなるだろう。僕はスピーカーを笑むように睨む。
『君の人を惹きつける力は面白いね。3人の女の子が此処に足を運んでいるよ
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