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殺戮を欲する少年の悲痛を謳う。
最終12話 殺戮を欲する人格破綻者(サイコパシー)
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うことを。落ち着いて…はぁ。聞いて!」
「もったいぶらないで教えて下さい」
 ミカエルは強い口調でメリラに返答する。
「カリヒさんが大統領になるように誘導されている」
「どうしてですか?」
 アーシャは扉に指を引っ掛けたまま聞く。
「知らないわよ。どうやら、カリヒと、クロノスたいちょ…と、今の大統領シャルラッハート・ワシントンには感応現象って呼ばれる超能力みたいな物があるらしいの」
「どうしてメリラさんが知っているんですか?」
 ミカエルは敵意とも捉えられるくらいの言葉で問た。
「さっきシャルラッハート・ワシントンと2足歩行の機械が会話してたのを盗み聞きしてきた。クロノスが致命傷を負っているのが見えたわ。でも…もう多分長くはないわ」
「今更かも知れませんが、メリラさん。あなた、アメリカ軍の精鋭部隊のクロノス隊に所属していますよね?どうして私達に味方するんですか?」
 メリラが米軍に所属していることを初めから知っていたような口ぶりで聞くミカエル。彼女はいつ、メリラがボロを出すのかと伺っていた。しかし、最後まで味方する姿を見て、気味が悪くなったようで、カマかけという回りくどい手段は使わずに直接問いただしにきたのだ。
「リーナさんのためよ。仲間を殺されて、絶望と恐怖を味わっている時に、あの人は温かい翼で私を包んでくれた。リーナさんが死んだ時、私はカリヒさんを恨みました。最後まであの人はリーナさんの足を引っ張る。でもリーナさんはカリヒさんに頼られているだけで生きがいを覚えるような器の大きい女神のような人で…だから私は、リーナさんの代わりになれないかもしれないけど、あの人になれるように努力したいと思っている。リーナさんの敵は私の敵だから。リーナさんの味方であるあなた達は私の味方よ」
 メリラも昔は奴隷だった。しかし、リーナとは全く立場が違う。
 元々は孤児で、施設の金銭的問題で奴隷になり、軍人に成った。
 でも、彼女は愛情を受けることはなかった。リーナのような、母親に似た情を受けた時、メリラはそれを恋心と勘違いした。
 だから今も、リーナに囚われている。
「すみません。はじめからメリラさんを疑っていました」
「いえ。疑うことは大事です」
 メリラはまるでリーナの口調を真似するかのように答えた。それを不自然に思うミカエル。
「で。ここにカリヒさんがいるのですが、なかなかあかなくて困っているんです」
「鍵閉まっているんですよね?」
「ええ」
「それじゃあ、いくら力で粘っても無理に決まってるじゃない。銃とか使ってこじ開けなさいよ」
 メリラはアーシャに優しく伝えた。アーシャはそれを見て、リーナの面影を感じてしまい、又涙が溢れてしまった。
「え?そんなに強く言ってないよね?私。なんでそんなに涙を流して泣くの?」
 暗闇の中で
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