最終12話 殺戮を欲する人格破綻者(サイコパシー)
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。これが賭けの内容だ?どうだ?怖くて声も出ないだろう』
シャルラッハートは首をふる。
「私に何1つ得のない賭けだな。私はどの道寿命が残っていない。だからクロノスに大統領になってもらいたかったんだ」
『終わったことを一々嘆いてどうする。その性格を直せ』
「人間の真似事はもういい。早く次の大統領を見つけてくれ」
『そうだな。追い詰められた君にしてはいい判断だと思うよ』
メリラは彼らの会話を聞いて、すぐに引き返した。これはすぐに2人とカリヒに伝えなくてはいけないと思ったのだろう。
同時刻にミカエルとアーシャは転がり落ちているHWの残骸をたどり、入り組んだ地下を駆け巡る。ここで二手に別れても意味が無いと気づいたミカエルはアーシャと一緒に真っ暗な通路を歩いていた。実はミカエルは暗いところが苦手なのである。だから二手に別れることを拒んだ。
「ミカエルさん。押さないでください。ていうかひっつくと歩きづらいです」
「ごめんなさい。暗いところが怖くて」
アーシャはいたずら笑みを浮かべミカエルに言葉を浴びせる。
「意外と可愛いところありますねミカエルさん」
「いきなり何をいいますか!私はこれでも真剣なんですよ!」
ミカエルは声をこもらせながらも張って発した。
「そ、そんなことより、大統領を見つけ出しましょう!」
切り替えながらアーシャにしがみつく。
「だから、歩きづらいですって」
アーシャは無理に笑顔を作ってミカエルに答えた。こうでもしていないと、リーナのことについて思い出してしまいそうだったから。
「アーシャさん。ごめんなさい。私も少し負い目を感じているの。リーナさんにはいつも負担をかけてばっかりだったから」
ミカエルはリーナのことを口に出す。するとアーシャの目からは大粒の涙が大量に出てきた。
「ご、ごめんなさい!」
ミカエルは混乱していた。だから何をしていいのかわからずにアーシャの頭を撫でた。
すると突然。何かがぶつかり合う音と共に空気が流れているのを感じたアーシャはその方向にかけ出した。
ミカエルは暗闇な為、辛うじてついていく。
「待って下さい!」
つい大きな声を出してしまったミカエル。慌てて彼女は口を塞ぎ、そのまま疾走した。
物音がした当たりには大きな扉があった。それはまるで学校の階段と廊下を区切る時に使うシャッターの役割をしているものに似ていた。
ドアノブと思われる部分は触ってやっと気づくが、ただ金具が半円形に突き出ているだけの簡単なしくみ。
アーシャはドアノブに手をかけるが、固く閉ざされていて開くことはなかった。
「あ、アーシャ!」
メリラが息を切らし、走りながらアーシャを呼びかける。暗いため、声で判断したのだろう。
「メリラさん!?」
「はぁ。聞いて!これからい
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