世界の破壊者
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が新生した時に消去してきた、二年間のデスゲームを駆け抜けたアバターにそう告げる。踏み抜いた足は妖精の翼がないにもかかわらず、瞬間移動のように感じさせ、《ダークリパルザー》の一振りはその名の通りアルビローチたちを消滅させる。
もちろんすぐさま復活するものの、キリトの二刀が煌めく度にアルビローチが百と消えていく。もはや世界全土を覆い尽くすほどの数があったアルビローチも、復活が間に合わず――いや、Mobとして沸かなくなった。結局残ったのは、アルビローチを盾にしていたボスアルビローチのみだったが、攻撃の余波にもはや虫の息となっており。
「決めたまえ」
『FINAL ATTACK RIDE KKKKKIRITO!』
ディエンドの最後のカード。姿を変えたものの必殺技を起動させる効力を持ち、もちろん《黒の剣士》となったキリトにもそれは適応された。このALOにはなくなった必殺の――二刀流ソードスキル。
「スターバースト・ストリーム……!」
その中でもキリトが最も得意としていた、二刀流十六連撃ソードスキル《スターバースト・ストリーム》――黒と白の軌跡がボスアルビローチに殺到していき、その原型を留めないほどに細切れとなった後、配下と同様に緑色の炎となって燃え上がっていく――
「……あれ?」
――次にキリトが意識を取り戻した時には、そこは見慣れたALOに浮かぶ新生アインクラッドだった。美しい自然が栄える妖精境に取り込まれてもなお、この第二十二層は美しかった。
「パパ……泥棒さんは……?」
「分からない。だけど……」
いろいろと確かめてみるも、アバターにダメージらしいダメージもなく、今までの戦いがあった記録が何もない。胸ポケットから顔を出したユイが同じく疑問を発するものの、どこにもディエンドの――海東の姿はない。とにかく神出鬼没な男だったが、最後の最後までそうらしい。
「……終わったんじゃないか。多分」
それでも、キリトに分かったことは一つだけ。もはや夢のようになってしまったあの戦いは、もう幕を閉じたのだということ。分からないことも多いが、きっとそれを真に理解できるのはまだ先のことだろう。
「ユイちゃーん! ……あ、キリトくん!?」
クエストに行く用の格好ではない、家でくつろぐ時の普段着のような格好をしたアスナが、ユイを探しながらログハウスから現れた。そこでキリトの姿を見つけて、まるで幽霊でも見たかのような反応を示す。
「早すぎるでしょ、さっきメールしたばっかりよ?」
「え……」
時刻を確認してみると、確かにアスナの言った通りで。時間はアスナからのメールを受け取って、喫茶店を出ようとしたくらいの時間だった。本当に瞬間移動でも使ったかのような事態に、胸ポケッ
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