世界の破壊者
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KAMEN RIDE RIOTROOPER』
再び量産型の騎士たち《ライオトルーパー》が複数体召喚され、途切れることなく地上から湧き出てくるアルビローチたちと戦闘に入る。その後は海東は適当に援護射撃をしたのみで、アルビローチたちではなくキリトたちに向き直った。
「そこの家で話そうか。君も話を聞きたいだろう?」
「……ああ、そうだな」
キリトは海東のことを睨みつけながらも、話をしようという申し出には同意し、三人で崩壊したログハウスへと入っていく。入ったとはいっても、何とかその形態を維持しているだけで――生活の痕跡すらも破壊されたその姿に、キリトの肩に乗ったユイが嗚咽を漏らす。
「へぇ……やっぱり僕が目を付けただけあって、たいしたお宝だ。そんな人間らしい感情を持てるなんて」
「海東……この世界に、何をした」
抑えきれないほどの怒りを感じさせながら、この期に及んで飄々とユイを眺める海東に対し、キリトはその胸ぐらを掴みながら問いただす。胸ぐらを掴まれた海東は静かにキリトの頭に銃口を向け、一瞬の後にどちらからともなく離れていった。
「落ち着きたまえ。まずこの《滅びの現象》は僕のせいじゃない。その《Yui-MHCP001》を求めてきた、世界を破壊する現象のせいだ」
「……なに?」
そう言いながらも、海東がログハウスの外を見るように示す。確かに、崩壊した大地に異様な空、際限なく現れる怪物――と、世界が滅びる前兆と呼ばれてもおかしくない状態だ。もちろんキリトの常識から照らし合わせれば、まるで荒唐無稽なありえない話だったが、今に始まったことでもなく、現に起きている以上認めない訳にはいかないことだ。何とかその言葉を理解しながら、キリトは海東に続きを促した。
「その世界に本来ありえないものを増殖させ、世界が耐えられなくなったら、その世界は崩壊する――そんな傍迷惑が歩いているような連中さ」
本来ありえないもの。海東の言っていることを信じるならば、確かに際限なく現れる昆虫型の怪物は、この世界にはありえない異物だろう。それに耐えられなくなった世界が自壊を始めた――そんなB級SF映画にも満たない話だったが、むしろそんな話の方が分かりやすい。
「それで、その傍迷惑な連中がユイを狙ってきた、ってことか?」
「ああ。その《Yui-MHCP001》は僕から見てもたいしたお宝だからね」
一体制作者はどんなプログラムにしたのか、もの凄く興味があるよ――と、海東はキリトの肩に立つユイに向けて微笑みかける。キリトは心中で何度目になるか分からない、あのSAOを作り上げた天才への殺意をぶつけながら、海東に肝心な内容を聞く。
「事情はまあ……分かった。どうすれば世界は直るんだ」
「簡単な話さ。その
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