機動戦艦ナデシコ
1257話
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笑みを作って口を開く。
「ああ、よろしく頼む。何て呼べばいい? エリナ? キンジョウ? ウォン?」
「エリナでいいわよ。私もアクセルって呼ぶから。それで早速だけどこの部屋を出ましょうか。アクセルの部屋はきちんと用意しておいたわ」
「へぇ。随分と用意がいいな」
「予定していたよりも遅れてきたのは、それだけの理由があったのよ。……もっとも、こっちの方で忙しかったのは事実だけど」
「だろうな。ネルガルってのは大きい会社なんだろうし。寧ろ、そんな大企業の会長秘書がわざわざ俺のサポートとして来るとは思ってなかったけど」
「それだけ貴方が興味深いという事よ」
笑みを浮かべたままだが、その目はとてもではないが友好的な雰囲気ではない。
それこそ、ちょっと油断をすれば一気に食い殺してきそうな気すらする。
まぁ、それはあくまでも比喩であり、本当にエリナが俺をどうこうしようとはしないだろうが。
そもそも、見た感じ身体を鍛えている様子はない。
いや、普通の人間としてであれば、運動不足にならない程度に身体を動かしてはいるのだろう。
そうでもないと、これだけのボディラインの維持は出来ない筈だ。
だが、それはあくまでも普通の人間としてだ。
立ち居振る舞いを見れば分かるが、戦闘訓練を受けた様子は一切ない。
……正直、戦艦に乗るのにそれはどうかと思わないでもないが。
「別の意味で言ってくれれば俺も嬉しかったんだけどな。エリナが興味深いって言ってるのは、ミロンガ改の方だろ?」
「さて、どうかしら。……ああ、それとこれを渡しておくわね」
俺の話を誤魔化すようにしながら、何かをこちらに差し出す。
それは……
「腕時計?」
勿論ただの腕時計って訳じゃないだろう。実際、プロスペクターやゴート、エリナも身につけているのだから。
「そ。コミュニケーター。通称コミュニケよ。腕時計型の通信機みたいなもので、TVも見られるわ」
「へぇ」
便利なような、そうでもないような。
特に俺の場合、時々身体を白炎にするからな。
下手をすれば……いや、間違いなくコミュニケを付けた状態で白炎化すれば、壊れてしまうだろう。
身につけるのは良いけど、色々と気をつけないといけないのは間違いない。
ま、それでもナデシコに乗る上で必要なのは間違いないんだろうから、ありがたく貰っておくけど。
勿論何らかの仕掛けとかはしてあると考えるべきだろうな。
盗聴器か、内蔵された爆弾か、実はベルトの部分から毒針が出るようになっているとか。無難な線でGPSとかの発信器とかか?
結局は付けないと不審がられるし、付けた方がいいか。
渡されたコミュニケを左腕へと付ける。
……身体を白炎にする時、左腕だけはそうしないよう
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