暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第221話 凍える闘志
[5/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
た。

 いち早く、スリュムが防御体勢のままだと言うのに、大技を放ってくる気配を感じ取り、動いたのだ。

 レイナが、自分を庇おうとしている事に気づいて、思わず声を掛けようとしたのだが、リュウキはそのまま叫んだ。

「アスナ! シノン!! オレの直線上にいろッ!!! 《プリ・キャスト》《エクス・ポーション》を頼む!!」

 クイックチェンジのスキルを使い、ロッドから、レーヴァテインへと持ち直したリュウキは、システム的なアシストは得られないものの、防御体勢を取った。
 心情的には、確かに躊躇してしまう光景だ。……だが、今はそれどころではなく、拒んでしまえば、リュウキの頑張りも無に消えてしまうだろう。それだけは、シノンは勿論、アスナも嫌だった。そして、レイナも……。


 そして、それ(・・)はきた。


 まるで、氷河期が一瞬で地上を覆い尽くすかの勢いで、視界が白く染まる。


 そして、視界の範囲、全てが識別不能になってしまい、まるでホワイトアウト状態になってしまった。だが、それよりも強烈なのは、0.1秒ごとに、足先から頭頂部に至るまで 全てを凍らされていく事にあった。

 その効果は、凍結による硬直と秒間のダメージだった。
 このヨツンヘイムに来た時、アスナがかけてくれた凍結耐性のバフ。それを再度かけても、まるで意味を成さない。一瞬で殆ど全員が氷の呪縛に捉えられてしまった。

 リュウキが放った魔法も その王者の息吹とやらで、威力を相殺したのだろうか、或いは凍結させたのだろうか、判らないが、完全にスリュムが押し勝っている様だ。


「身に染みたか……? 羽虫共。貴様ら虫共の死は絶対。全てを砕いてくれるわァ!!」

 
 動けない全員に向かって、その強大、巨大な足を持ち上げた。
 主に巨大なモンスターが共通して使ってくる技の1つ、《踏み付け(ストンプ)》である。だが、これ程の大きさの一撃を誰もが拝んだ事など無かった。


「(か、身体が……! 動かねェッ!!)」
「(ぐっ……、ま、まずい……!! か、回復を……!?)」
「(大技が、来るっ……!! こ、このままじゃ……!)」
「(ピナっ……、ぜ、ぜったい、守るから……!)」
「(くのぉぉ……、オウサマの癖に、卑怯よ……!!)」


 どれだけ足掻こうとも、凍結の呪縛が解けるのには時間がかかる。そして、声を出す事も出来ない。

 一瞬で解除する事は殆ど不可能だ。唯一、方法があるとすれば……。


「砕け散れェェェ!!! おォォォォォ!!!!!」


 敵の攻撃による、強制的な解除……いや、粉砕で、である。

 スリュムの裂帛の気合。いや 殺気とも言っていい。その怒号が場に響くと同時に、踏み付けをしてきた。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ