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ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第221話 凍える闘志
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そして、レイナもそうだ。
歌による恩恵は、歌声が届く範囲まで効果がある。つまり、広範囲なのだ。そしてMPを消費する様な事も無い為、制限も無い。ここまで考えたら、優秀を通り越して、チートの様な気もするのだが、勿論そこには制約がある。歌の最中は当然、動けず そこに攻撃をされてしまえば、全てがキャンセルされる。そして、発動を成功させたとしても、その硬直時間は 全種族の中でNo.1だ。ボス戦闘であれば気の遠くなりそうな程、縛られてしまうのだから。
リュウキは、ぎりっ と歯を食いしばると 眼を朱く光らせ、
遅延解除
(
ディレイ・キャンセル
)
を酷使。レイナの前に立つ。
そして、全員に
視た
(
・・
)
それを伝えようと、声を振り上げるが、スリュムの方が早かった。
「――見せてやろう……! 王の、王の威厳と言う物を」
低く重い声。地の底から響いてくるあの声が、場に響き渡る。
「脆弱なその骨身に、染み込ませてやる!! 羽虫がぁぁぁぁぁ!!! 両手を封じた程度で、良い気になるなぁ!!!」
スリュムは、隕石を抑えたまま、その妖精達、1ダース分はまるまる入るであろう、大口を開ききると。
「喰らうが良い!! 霜の巨人の―――王者の息吹をッッ!!!」
突如発生する渦巻き。
それは、スリュムに吸い込まれていく過程で発生したモノだ。
「う、おっ……!!! な、なんだぁ??」
「す、吸い込まれてるぅぅ!!」
「きゅきゅきゅきゅ〜〜〜!!」
比較的、一番軽量であるシリカは そのまま 食べられてしまいかねない勢いで身体を宙に浮かせたのだが、丁度傍にいたクラインの腕に捕まる事で、難を逃れ、ピナも同じ様にクラインのバンダナに精一杯しがみついた。クラインの頭がハゲそうな勢いだったが、ピナにとっては生死がかかった問題なので、仕方がない事だろう。
「う、ぐぐぐぐーーー、な、なんの、こ、これしきぃぃぃ……!!!」
リズも、メイスを床に突き入れると漢気あふれる粘りを見せてくれていた。
「(風魔法で、引き寄せを中和しないと……! 大技が来る!? 下手をしたら、即死級の……!?)」
リーファは、懸命に手を掲げて魔法を唱えようとするのだが、相手の方が圧倒的に早い。
キリトもそれを悟った様で、覚悟を決めた。
「皆! 防御姿勢だ!! いや、気合で耐えろぉ!!」
気合で、とは無理な要求を、と言われるかもしれない。
だが、数値だけで、この世界の強さが決まるのではない事は、ここにいる全員が知っている。――……精神力がこの仮想世界に及ぼす力の強さを知っているのだ。
だからこそ、全員が歯を食いしばった。
「りゅ……!!」
それは、リュウキも同じだっ
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