暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第2章:埋もれし過去の産物
第30話「とりあえず」
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、お兄ちゃん!?」

「何をするつもりだ!?」

  驚く周りを無視し、僕は転移魔法を使う。

「“アレ”はこのままだと倒せない!何とか引き離して現場の皆を撤退させる!」

「君は...!くっ、無茶だけはするなよ!」

  後で叱られるのは覚悟の上。
  ....僕なんかでは攻撃の一つも通らないかもしれない。けど、囮になるぐらいなら...!















       =第三者side=





「......ここは?」

  どこかの空。そこに、一人の少女が佇んでいた。

「....街?人間がいるの?」

  下の景色を見下ろし、そう呟く。

「....アハッ♪誰か見ーつけた♪」

  そして、同じく空を漂っていた人物、高町なのは....その闇の欠片を見つける。

「ちょうど喉が渇いてたし、いただきまーす!」

  そう言って少女は一気に闇の欠片に接近し、

「....ッハァ....♪」

「っ、ぇ...ぁ....?」

  闇の欠片の心臓部を貫いた。
  その手には血の滴る、まだ脈動もする心臓が握られている。

「うーん...ただの魔力の塊かぁ...。ま、いっか♪」

  少女はそのまま腕を引き抜き、落下しながら消える闇の欠片を無視し...。



   ―――その心臓を喰らった。



「んー、おいし...!」

  悪魔のような、そんな行為をさも当然かの如く少女は行う。
  ....七色の宝石のようなものがぶら下がった羽を生やして。

「うーん...それにしても、ここどこだろう?記憶も曖昧だし....。」

  血で汚れた手と口元をそのままに、少女は呟く。

「ま、いっか♪....人間を殺せるなら、なんだっていい.....。」

  明るい声が一変し、暗く、震え上がらせるような声でそう言う少女。

「さぁ...楽しい虐殺の時間だよ♪」

  両腕を広げ、高らかに少女はそう言う。

「あは、あはははははははははは!!」

  笑い、嗤い、哂う。何もかもがおかしいように、狂ったように。

「まずは....アレからっ....!」

  そして、視界の奥の方に見つけた少年に向けて、彼女は飛んだ。











   ―――...狂気の影は、すぐそこまで迫ってきている....。












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