暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第2章:埋もれし過去の産物
第30話「とりあえず」
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げる。

「ギッ.....!?」

「....え?」

  そして、リヒトの穂先が、葵のレイピアが、御札の炎が、それぞれ司さん、ヴィヴィオ、緋雪の背後に迫っていた妖怪っぽい奴を消し去る。

「全員背中合わせに固まれ!!」

「かやちゃん!」

「ええ、分かってるわ!」

  魔導師組にそう呼びかけ、戦闘経験が一番多い椿たちは僕達を護るように立つ。

「椿、一応聞くけど今のは...。」

「妖よ...。尤も、本物よりは全然弱いけどね。」

  気配は結構漏れてたからよかったけどこれは....。

「数が多い...。まさかよじ登ってくるとは...。」

「空を飛ぶ妖もいるわよ。厄介ね。」

  大量の小さい魔力反応が今いるビルの屋上を囲っている。
  ....どうしてこうなっているんだ?

「...あれは....!」

「どうしたのかやちゃん?...って、あれは!」

「二人共、何かあったのか?」

  片手間に襲い掛かってきた妖を倒しながら、下の様子を見た椿と葵が声をあげる。

「百鬼夜行・大首....!」

「....なんだそいつは?」

  百鬼夜行はともかく、大首は知らないな...。

「群れをなしている妖よ。....一掃しなければ増えるばかりね。」

「倒しても倒してもなかなか数が減らない、厄介な奴だよ。」

「そうか...。」

  二人が厄介と言うならば...。

「この妖の群れも、そいつが原因か?」

「...多分ね。」

「...なら、全員でそいつを叩きに行く。ここで防衛していても何の意味もない。」

  幸い、妖自体の強さはそこまでないらしい。
  さっきから魔力を適当に込めて両断するだけで倒せる。

「イングヴァルトさんとヴィヴィオは戦えるか?」

「もちろん!パパに鍛えてもらったもん!」

「行けます。...それと、私の事はアインハルトで構いません。」

  そう言って二人はそれぞれぬいぐるみを掲げ、

「セイクリッド・ハート!」

「アスティオン!」

「「セーットアーップ!」」

  二人してバリアジャケットを纏.....あれ?

「大人になってる...?」

「あ、はい。子供の体だと、体格差によるリーチで不利になりますから。」

「なるほど...。」

  僕の場合は特に不自由がないけどな...。

「近接主体はこのまま敵陣へ、遠距離が扱えるのはここから支援してくれ。あ、それと緋雪は一掃するために魔力を溜めておいてくれ。」

「分かったよ!」

  見た所、椿以外で遠距離向きなのは司さんだけ...か。
  ヴィヴィオとアインハルトは格闘系っぽいし。


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