第二話 異変その一
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第二話 異変
優花は健康診断を終えてからも普通の日常を過ごしていた、この日の朝は優子と一緒に朝食を食べていた。
優子はまだ寝惚けている顔でパジャマも乱れたままでだ、優花が差し出したトーストにマーガリンを塗っていた。
その姉にだ、優花は言った。
「お姉ちゃん起きてる?」
「起きてるわ」
その半ば寝惚けている顔で答えるのだった。
「一応ね」
「一応なんだ」
「だから安心して」
こう言うのだった。
「とりあえずはね」
「ううん、じゃあ食べてね」
「それでね」
「起きてね」
「わかってるわ、昨日かなり飲んだから」
「二日酔い?」
「お酒は残ってないわ」
優子は酒は強い、ウイスキーをボトル一本位は空けられる。それで家でよくそれだけ飲んで優花にも怒られる。
「それは安心してるけれど」
「眠いんだ」
「ちょっとね」
「もっと早く寝ないと」
優花はその姉に口を尖らせて注意した。
「駄目だよ」
「わかってるわよ、ただね」
「お酒は、だよね」
「止められないのよ」
理由は簡単だ、好きだからだ。
「どうしてもね」
「それだけはだよね」
「お酒は最高の飲みものなのよ」
こうしたことも言う優子だった。
「女を磨くね」
「そんなの言うのお姉ちゃんだけだよ」
「そうかしら」
「そうだよ、普通そこで恋とか言うじゃない」
「恋と一緒によ」
酒は、というのだ。
「女を磨くものなのよ」
「そう言って昨日もなんだ」
「ブランデーね」
昨日飲んだのはその酒だというのだ。
「帰ってから一本ロックで空けたわ」
「ブランデーを一本なんだ」
「ええ、サラミをおつまみにしてね」
そのうえでというのだ。
「それで寝たのよ」
「飲み過ぎると駄目だよ」
「わかってるわよ、私は医者よ」
この職業柄というのだ。
「健康には気をつけてるわよ」
「だといいけれど」
「これでも毎日ジムに通ってるしね」
「それで汗をかいてるんだよね」
「そうよ、健康診断でもね」
数値を見てもというのだ。
「健康そのものよ」
「だといいけれど」
「そもそもお酒を飲んでもね」
それでもというのだ。
「毎日じゃないから」
「そういえばそうだね」
「毎日飲んでると」
それはというのだ。
「やっぱり身体によくないから」
「飲み過ぎはね」
「飲まない日も多いのよ」
「だといいけれどね」
「女を磨くのに溺れたら」
そうなってはというのだ。
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