命の時間
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シャルルたちがジルコニスの腕が俺たちに迫ってきているのを見て慌てたように声を張り上げる。その時咄嗟にウェンディを突き飛ばして逃がそうとした。だが、
「「!!」」
頭の中に妙なイメージが一時的によぎる。それは、俺とウェンディ双方が相手を突き飛ばそうとして手を取り合う形になってしまい、俺たちを庇ったカミューニさんが殺されてしまうというものだった。
「なんだ?今の?」
「シリルにも見えた?」
危機が迫っているにも関わらず妙に冷静な俺たち。その間にもジルコニスの手は迫ってきているのだが、それよりも今のイメージの印象が大きすぎて、そちらに気が向いてしまう。
「余計なこと考えるな!!」
そんな俺たちに、後ろからカミューニさんが怒声を上げ、それにより俺たちは正気を取り戻した。
「ウェンディは動くな!!シリルはそいつ抱えて飛べ!!」
「はい!!」
「わかりました!!」
迅速な判断とわかりやすい指示。それを聞いた俺はウェンディを抱き締めるように抱えると、ジルコニスの向かってきている腕から間一髪で逃れることができた。
「ぬおっ!?」
ギリギリで回避されたことに驚きを隠せない様子のジルコニス。俺は一緒に避けたウェンディを離すと、全く同じタイミングで頬を大きく膨らませる。
「水竜の咆哮!!」
「天竜の咆哮!!」
水と風。二つの属性は放たれたと同時に混じり合い、一直線にジルコニスの顔面を捉える。
「ぬああああああ!!」
まともに入った攻撃。未来の映像が俺たちに与えてくれた好機。そのイメージは、劣勢だった魔導士たちに対して、反撃の起点となったのだった。
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